企業向けサービス価格、4月は前年比0.2%上昇 値上げに広がりみられず

2016年5月26日(木)10時32分

[東京 26日 ロイター] - 日銀が26日公表した4月の企業向けサービス価格指数は前年比で0.2%上昇となり、前月と同水準だった。前月比では0.2%下落した。例年4月に価格改定を行う企業が多いが、値上げの動きに大きな広がりはみられていない。

前月に比べて4月の価格上昇に寄与したのは、情報通信や広告、不動産など。情報通信ではインターネットサイトの手数料引き上げの動きを中心にインターネット付随サービスが前年比で4.6%上昇。広告ではインターネット媒体への広告需要の強さを反映し、インターネット広告が同6.4%上昇した。また、東京圏を中心とした賃貸料の引き上げで、事務所賃貸も同1.5%上昇となり、いずれも前月からプラス幅が拡大した。

一方、土木建築サービスやプラントエンジニアリングなど諸サービスは同0.8%上昇と前月からプラス幅が縮小した。このうち宿泊サービスや警備などは良好な需給環境を背景に前月からプラス幅を拡大させている。運輸・郵便は同1.1%下落となり、マイナス幅が拡大した。

調査対象全147品目のうち、上昇と下落がともに53品目と拮抗した。3月は上昇が下落を1品目上回っていた。

4月は例年、多くの企業が価格改定を実施するが、昨年よりも小幅の値上げにとどめる企業も多く、値上げの動きに大きな広がりはみられていない。日銀では、引き続き需給環境が好調な中で「人手やキャパシティーの不足がどのように価格に影響を与えていくか注目したい」としている。

*カテゴリーと内容を追加します。

(伊藤純夫 編集:内田慎一)

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