ドル110円挟んでもみ合い、手掛かり乏しく

2016年5月25日(水)15時31分

[東京 25日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ややドル安/円高の109.93/95円だった。株価がしっかり推移する中、仲値にかけては実需のドル買いも観測された。午後にかけては手掛かりに乏しく、110円を挟んだもみ合いが続いた。前日の海外時間には米ダウが200ドル超上昇しており、午前9時前のドル/円相場では株高期待の短期筋による円売りが見られた。

商業決済が集中する五・十日に当たり、仲値公示までは実需の買いフローが比較的目立ったとされる。もっとも、仲値通過後は取引が極端に細った。市場では「東京市場は開店休業状態」(外銀)に陥ったとの声が出ていた。 午後は110円を挟んだもみ合いが続いた。「五・十日でも110円前半では頭を抑えられ、上昇の勢いが続かなかった」(国内金融機関)として、上値の重さが印象づけられたとの声が出ていた。正午過ぎにはいったん下げ圧力が強まり、109.86円まで下落する局面もあった。 トレーダーらの間では、中国人民銀行が人民元の対ドル基準値を1ドル=6.5693元と5年ぶりの元安水準に設定したことや、安倍首相が夏の参院選と次期衆院選を同じ日に行う「衆参同日選」を見送る公算が大きくなったと一部で報じられたことなどが話題に上った。ただ、いずれのニュースも、ドル/円相場に直接的な影響は及ぼさなかった。

人民元基準値の元安設定をめぐり、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト、村田雅志氏は「米6月利上げを織り込みながらドルが強いことを考えれば、自然な動きだ」と指摘していた。

村田氏は、さらなる元安もあり得るとみるが、一時期に比べ中国経済が安定を取り戻してきているほか、原油価格も大きく持ち直してきているため、年初の波乱相場の再現はないだろうと指摘している。

「人民元が安いから大変だというストーリーより、米経済が利上げできるぐらいにしっかりしているという方に目が向いてくるのではないか」と同氏はみている。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 109.93/95 1.1152/56 122.60/64 

午前9時現在 110.16/18 1.1134/38 122.66/70

NY午後5時 109.98/00 1.1140/45 122.51/55 

(為替マーケットチーム)

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