米モンサント、独バイエルの買収提案拒否 交渉余地は残す

2016年5月25日(水)09時33分

[24日 ロイター] - 米農業関連・種子開発大手、モンサントは24日、独医薬品・化学大手、バイエルが示した620億ドルの買収提案を「不完全で金額的に不十分」として拒否した。ただ、さらなる交渉に関与する余地は残っているとの認識も示した。

モンサントのヒュー・グラント最高経営責任者(CEO)は声明で「現在示された提案はわが社を著しく過小評価している」と指摘。買収資金の調達や規制面で不安が残るとの認識を示した。

トムソン・ロイター調べでモンサントの第14位の株主である資産運用会社のマニング・アンド・ナピアー・アドバイザーズは、モンサントの決定を支持した。

モンサントがどの程度の引き上げを望んでいるかは現時点で不明だが拒否したことで、バイエルに買収提案額の引き上げ圧力が掛かる。しかし、バイエル株主からは1株あたり現金122ドルの提案額は高すぎるとの批判もでている。

モンサントの発表を受け、バイエルは、1株122ドルの提示額はモンサントの株主に対して「十分で確かな価値」を提示しているとしたうえで、モンサントと建設的な交渉を望む考えを示した。

バイエルのヴェルナー・バウマン最高経営責任者(CEO)は声明で「われわれは取引に関連して生じる可能性のある資金調達や規制上のあらゆる問題にも対応可能だ。バイエルはお互いに納得できるこの取引の完了に向け引き続き尽力する」と述べた。

24日の米国市場でモンサント株は3.1%高の109.30ドルで終了。バイエルが示した買収提案額(122ドル)をなお大きく下回り、買収実現に懐疑的な見方があることを浮き彫りにした。独フランクフルト市場のバイエル株は3.2%高の87.15ユーロで終えた。

*内容を追加しました。

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