米3月貿易赤字13.9%減、輸入5年3カ月ぶり低水準

2016年5月5日(木)02時16分

[ワシントン 4日 ロイター] - 米商務省が4日発表した3月の貿易収支の赤字額は前月比13.9%減の404億4300万ドルと金額ベースで昨年2月以来の低い水準となった。赤字額は市場予想の415億ドルを下回った。輸入が2010年以来の水準に減ったことが影響した。第1・四半期国内総生産(GDP)が上方修正される可能性がある一方で、国内需要の弱含みも示唆している。

2月の赤字額は当初発表の470億6000万ドルから469億6300万ドルへやや下方修正された。

3月のインフレ調整後の貿易赤字は574億3000万ドルだった。2月は632億1000万ドル。

先月発表された第1・四半期GDPの速報値は年率0.5%増にとどまった。貿易の寄与度がマイナス0.34%だった。3月の貿易赤字が予想より少なかったことで、今月下旬に発表されるGDP改定値は上方修正される可能性がある。

ドル高と世界的な需要鈍化で米輸出は低迷したが、こうした下押し要因は消え始めている兆しがある。米供給管理協会(ISM)が2日発表した4月の輸出受注は2カ月連続で上昇し、14年11月以来の高水準をつけた。

ドルは今年、米国の主要な貿易相手国の通貨に対して3.8%下落しており、米国のモノやサービスの輸出競争力は強まるはずだ。ドルは14年6月から昨年12月まで貿易加重ベースで20%値上がりしていた。

3月はモノの輸出が1.6%減の1168億1900万ドルだった。モノとサービスを含めた輸出総額は0.9%減の1766億1800万ドルだった。食品の輸出は10年9月以来の低水準に落ち込んだ。産業資材と原料の輸出は6年ぶりの低水準だった。消費財は13年3月以来の低い水準となった。

輸出を地域別でみると、欧州連合(EU)は9.2%増加した。カナダとメキシコはそれぞれ10.9%と6.1%増えた。中国は11.2%増だった。

モノの輸入は4.3%減の1753億3200万ドルと、10年12月以来の低水準だった。輸入の弱含みは国内需要の低迷を示唆している可能性もあるが、企業が積み上がった在庫を減らそうとしていることが関係しているかもしれない。

原油安と国内のエネルギー生産の増加も輸入価格を抑えている。

輸入の内訳は、産業資材と原料が04年4月以来の低水準だった。原油価格が平均で1バレル=27.68ドルへ上昇したにもかかわらず、石油の輸入は02年9月以来の低水準となった。

中国からのモノの輸入は3年ぶりの低水準になった。輸出の増加と合わせて、政治的に問題になることが多い対中貿易赤字は25.7%減の209億ドルとなった。

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