第1四半期の米雇用コスト指数0.6%上昇、伸びは緩慢

2016年4月30日(土)00時50分

[ワシントン 29日 ロイター] - 米労働省が29日発表した第1・四半期の雇用コスト指数(ECI)は前期比で0.6%上昇で市場予想と一致した。雇用市場の底堅さは、賃金の伸びの力強さにつながっておらず、米連邦準備理事会(FRB)にとっては、利上げを年後半まで控える裁量の余地を生むかもしれない。

昨年第4・四半期の数字は、0.5%上昇で改定はなかった。

3月のECIは前年同期比では1.9%上昇となり、物価上昇率がFRBの中期的な目標である2%近辺に戻るために必要とされる3%を大幅に下回った。昨年第4・四半期は2.0%上昇だった。

FRBは27日、政策金利を据え置き、金融政策のさらなる引き締めを急がないことを示唆した。FRBは昨年12月、9年半ぶりに利上げに踏み切っている。

28日に発表された第1・四半期国内総生産(GDP)の速報値は米経済が幅広い範囲で減速したことを示した。

雇用市場は比較的底堅く、職探しを諦めていた人たちも市場に戻ってきているが、賃金の上昇は歯がゆいほど遅く、今後も伸びは緩やかなままかもしれない。

雇用は広範な業界で増加しているものの、特にレストランや小売業などのサービス産業に集中している。これらの仕事は、製造業や建設業と比べて給料が安い傾向がある。

政策当局者やエコノミストは、労働市場のスラック(需給の緩み)を測るより良い指標としてECIに注目している。ECIはコア物価を予想する上でも良い指標だとされている。

雇用コストの7割を占める賃金・給与は、前期比で0.7%増と、過去1年で最も大きなプラスとなった。前年同期比は2.0%増だった。昨年第4・四半期は前期比が0.5%増、前年同期比が2.1%増だった。

民間企業の賃金・給与は前期比で0.7%増。昨年第4・四半期は0.6%の増加だった。

全体の諸手当は0.5%増だった。前期は0.6%増だった。

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