物価連動債を減額へ、買入消却も拡充 月内に国債市場会合

2016年3月8日(火)13時17分

[東京 8日 ロイター] - 政府が機関投資家向けに発行する物価連動国債は、今年4月から減額となる見通しだ。世界的な原油安で投資判断の目安となる期待インフレ率が低下している現状を踏まえ、市場参加者との会合で対応策を協議する。元本保証の付いた新たな物価連動債を買い取る案も浮上しており、減額発行と併せ、需給環境の改善を図る狙いだ。関係筋が明らかにした。

国債市場特別参加者会合と国債投資家懇談会での議論を踏まえ、月内にも正式に決める。物価連動債の年間発行額は2兆円で、3カ月ごとに5000億円発行している。これを見直して4月から4000億円に減額する案が出ている。

買入消却も拡充する方向だ。13年10月の発行再開以降、元本を保証して発行した物価連動債について、新発債を含め買い取りの対象とし、減額発行と併せ、需給改善策の柱とする。

物価連動債は物価指数に応じて元本が増減する。デフレ下で元本割れのリスクが高まり、08年10月にいったん発行を停止したが、再開後は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)からの需要も背景に、発行額を段階的に増やしてきた。

しかし、原油安で市場のインフレ期待が低下し、マイナス金利政策の導入後も市況は改善しておらず、新たな対応を求める声が出ていた。

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