独コメルツ銀、第4四半期は黒字転換 貸倒引当金が減少

2016年2月12日(金)21時03分

[フランクフルト 12日 ロイター] - ドイツのコメルツ銀行が発表した第4・四半期業績は黒字転換した。国内経済は堅調だったことから貸倒引当金が減少した。また6年にわたるリストラにより非中核資産で構成する「バッドバンク」部門を閉鎖することを明らかにした。

純利益は1億8700万ユーロ(2億1100万ドル)となり、予想と一致した。前年同期は2億8000万ユーロの赤字だった。

中核的自己資本比率である普通株式等Tier1(CET1)比率は2015年末時点で12%。前年末時点は9.3%だった。

2016年の純利益は小幅増加を予想しているとした。ただ、低金利を背景に、10%とする株主資本利益率(ROE)目標は引き続き達成できていない。

ブレッシング最高経営責任者(CEO)は「5年ぶりに(通期で)黒字となり10億ユーロ以上を確保した。資本状況も一段と改善した」と述べた。

閉鎖する非中核資産部門(バッドバンク)の資産高は2015年末に630億ユーロに減少、通年の営業損失は4億0100万ユーロとなった。同部門の資産は他の部門に移管するという。

コメルツ銀の株価は序盤の取引で14%上昇。ただ、年初来では依然として22%安となっている。

同行は4月20日の株主総会に間に合うよう、退任を表明しているブレッシングCEOの後任を発表する方針。クラウスペーター・ミュラー会長が社員向けメッセージで明らかにした。

他の国内銀と同様、低金利が国内市場で収益性を圧迫しており、競争も激しいことから各行とも利益率は軒並み低い。

リテール部門の第4・四半期営業利益は倍増の1億6000万ユーロ。中小企業向けのミッテルシュタントバンクは利益率低下で15%減の2億1200万ユーロ。

投資銀行部門の利益は60%減の4700万ユーロ。

*写真を差し替えました。

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