ドル116円台に続落、米指標弱く=NY市場

2016年2月5日(金)07時21分

[ニューヨーク 4日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが円やユーロに対して大幅に下落した。前日のニューヨーク連銀のダドリー総裁によるハト派的発言や最近の弱い米経済指標で、米連邦準備理事会(FRB)の今年の利上げについて懐疑的な見方が広がっている。この日発表された12月の米製造業新規受注も1年ぶりの大幅マイナスとなり、ドル売りが継続した。

ドル/円は1%超下げ、約2週間ぶり安値の116.525円に下落。ユーロ/ドルも1%以上値を上げ、15週間ぶりとなる1.1239ドルの高値を付けた。

またドル/スイスフランは、約3週間半ぶり安値の0.9921スイスフランまで売られ、これも1%超の下げだった。

その結果ドルの主要6通貨に対するドル指数は、約15週間ぶり安値の96.259に下落。1日の下げ幅としては2カ月間で最大となった。

今年の市場はおおむねFRBの金融引き締めと、欧州中銀(ECB)や日銀の追加緩和の見通しのもとドル高のシナリオで始まったが、クレディ・スイス(ニューヨーク)でFX戦略部門のグローバル責任者を務めるシャハブ・ジャリヌース氏はそれについて「修正を迫られている」と指摘する。

投機筋はドルの持ち高を減らしている。米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組をもとに、ロイターが試算したドルの買い持ち額は1月26日終了週で238億5000万ドルとなり、5週連続で減少した。

またCMEフェッドウォッチによると、フェデラルファンド(FF)金利先物市場でのFRBの3月利上げ織り込み度はわずか10%で、年内の利上げ織り込み度も41%となっている。昨年12月には、FRB当局者は今年4回の利上げを行うとの見通しを示していた。

市場は5日発表の1月の米雇用統計に注目している。「市場は弱い数字を望んでいるわけではなく、それに耐える余裕もない」とみるTJMブローカレジ(シカゴ)の外為共同責任者・リチャード・スカローン氏は、数字が悪ければユーロ/ドルは1.14ドルに向かうとの見通しを示した。

ドル/円 NY時間終値 116.68/116.73

前営業日終値 117.85

ユーロ/ドル NY時間終値 1.1207/1.1211

前営業日終値 1.1101

*内容を追加しました

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