S&P500種企業、第2四半期まで減益へ=トムソン・ロイター

2016年1月22日(金)18時06分

[ニューヨーク 22日 ロイター] - トムソン・ロイター・プロプライエタリー・リサーチによると、S&P総合500種指数採用銘柄の利益は、少なくとも今年第2・四半期まで前年比での減少が続く見通しだ。エネルギー、原材料、金融、ハイテクセクターの見通しが急速に悪化していることが背景。

第2・四半期まで減益が続けば3四半期連続でのマイナスと、いわゆる「グレート・リセッション(大不況)」以来の長期間となる。

米株式のバリュエーションは低下しているものの、これは株価の下落ペースが利益見通しの減少ペースを上回っているためだ。

S&P500種の予想PER(株価収益率)は14.9倍と、2013年第1・四半期以来の低水準。過去最高だった5月の17.4倍を大きく下回っている。現在のPERは長期平均の約15倍を小幅ながら下回る水準だが、企業利益見通しが安定化するまで割安とは呼べない状態だ。

昨年第4・四半期のS&P500種採用企業の利益は前年比で4.5%減、売上高は3.5%減と予想されている。トムソン・ロイターのデータによると、第3・四半期の利益は同0.8%減だった。

今年第1・四半期の利益予想は前週、当初の前年比0.8%増からマイナスに転じ、0.4%減となった。

ボストン・プライベート・ウェルス(ニューヨーク)のチーフ市場ストラテジスト、ロバート・パブリク氏は「今年の利益予想の一部をみれば、第1―2・四半期は増益があまり期待できないことが分かるだろう」と表明。今年後半には大幅増益が見込まれているものの、「状況が大きく好転しない限り、成績を上げるのは極めて難しいと考える」とした。

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