地銀取り組みに厳しい意見、金融庁有識者会議「地域密着に矛盾も」

2016年1月19日(火)19時02分

[東京 19日 ロイター] - 金融庁は19日、昨年末に立ち上げた有識者会議「金融仲介の改善に向けた検討会議」(座長=村本孜・成城大学社会イノベーション学部教授)の初会合の議事要旨を公表した。委員から、地域金融機関の取り組みに対して厳しい意見が出ていたことが判明した。

初会合は「地方創生および一億総活躍社会の実現に向けた課題」や「地域金融の現状と課題」がテーマになった。委員からは「地域密着型金融のビジネスモデルを標榜しながら、それとは矛盾するような行動をとっている地域金融機関が多い」との指摘や、借り手企業の事業性評価に関連して「オーナーとの間で、特に経営について深い話ができていない気がする」との意見が出た。

地銀の担当者に、企業のオーナーと経営の話をもっとしないのかと尋ねたある委員は、複数の銀行の担当者から「課題を聞いて、万が一返答できなかったら困るので、あえて聞かない」との返答があったと明らかにした。その上で、同委員は「(対話不足の)背景には評価基準がある。そもそもどういう評価基準で各金融機関が中の人材を評価しているのかも、当局は見た方がいい」と指摘した。

検討会議は、昨年9月の「金融行政方針」で創設が盛り込まれた。地域金融機関のあるべき姿を議論し、担保・保証に過度に依存する融資から、取引先企業の事業内容や成長性などの評価に基づく融資姿勢への転換を促すことを主な目的としている。

(和田崇彦)

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