日経平均は続落、円高や中国株安で売り強まる

2016年1月15日(金)15時51分

[東京 15日 ロイター] -

東京株式市場で日経平均は続落。前日の米国株が上昇した流れを引き継ぎ、反発スタートとなったが、買いは続かず、後場に入るとマイナス圏に沈んだ。米インテルの時間外取引での下落を背景に今晩の米国株市場への警戒感が広がったほか、黒田日銀総裁の「現時点で追加緩和の考えがない」との発言を受け、円高に振れたことも重しとなった。中国株の下げも止まる気配がなく、市場心理は強気に傾きにくいという。

寄り付き後に前日比で350円を超す上昇となった日経平均だったが、不透明な外部環境は変わらず、戻り待ちの売りなどに上値を押さえられた。連日のように値動きが激しく、ボラティリティの高さを嫌う長期投資家などは手を出しにくいという。日経平均ボラティリティ指数は後場に上昇に転じ、終値では3カ月超ぶりの高水準となった。

いちよしアセットマネジメント執行役員の秋野充成氏は、きょうの日本株の下げ転換に対し「原油価格や中国株など海外市場の下げに歯止めが掛からない限り、日本株が底打ちするのは難しい」との見方を示す。もっとも底値を付けた後は、昨年夏と同様に短期的な反発局面を迎え「日経平均1万9500円程度までの戻りが期待される」と述べた。

個別銘柄では、川崎重工業が昨年来安値を更新。14日、ブラジルでの造船合弁事業に関する損失221億円を2015年10―12月期連結決算で計上すると発表し、業績悪化を懸念した売りが出た。2016年2月期業績予想の下方修正を発表したアデランスの下げもきつい。

半面、シャープが急伸。台湾の鴻海精密工業が15日にも買収を再提案することが明らかになったと読売新聞が報じ、材料視された。これまで上限5000億円を提案していたが、7000億円規模の資金を出す方向で調整しており、シャープの時価総額の3倍以上に相当する規模に大幅に引き上げるという。

東証1部騰落数は、値上がり723銘柄に対し、値下がりが1115銘柄、変わらずが97銘柄だった。

日経平均

終値      17147.11 -93.84

寄り付き    17522.46

安値/高値   17057.6─17597.87

TOPIX

終値       1402.45 -4.10

寄り付き     1427.65

安値/高値    1394.66─1433.63

東証出来高(万株) 244875

東証売買代金(億円) 24905.88

(杉山容俊)

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