自工会会長、タカタへの共同出資案「まだない」 日産も否定

2016年1月5日(火)21時09分

[東京 5日 ロイター] - 日本自動車工業会(自工会)の池史彦会長(ホンダ会長)は5日、欠陥エアバッグ部品による大量リコール(回収・無償修理)問題で業績が悪化する製造元のタカタに対し、国内自動車メーカーが共同で出資するなど支援する可能性について、議論する段階に「まだない」などと述べた。

池会長は「基本的にない。あくまで個社での対応になる」との見解を示した。

池会長は同日開いた業界団体の新春賀詞交歓会で記者団に対し、支援の議論は原因が判明してからになる、との考えを改めて示した。日産自動車の西川廣人チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)も同会場で、タカタへの支援について「何も決まってない」と述べ、「もう少し様子を見て」からの判断になるとした。

自動車各社は2011年の東日本大震災で被災し、自動車部品の供給が滞った半導体大手ルネサスエレクトロニクスに共同出資した事例がある。ただ、池会長は「ルネサスが被災したときとは事情が違う」とも指摘。リコール費用の求償を複数年に分けて負担を軽減することや部品納入価格の値下げ要請を見送るなどといった支援策の議論も「していない」と話した。

タカタ製エアバッグは、同社に1.2%出資する主要取引先のホンダのほか、トヨタ自動車、日産など多くの自動車メーカーが採用している。タカタはエアバッグだけでなく、シートベルトでもシェアが大きく、経営破綻して部品供給が滞るようなことになれば、自動車の生産にも影響が及ぶ可能性がある。ただ、ホンダの広報部も4日、「現時点でタカタへの追加出資は検討していない。他社と共同出資することを検討している事実もない」と話している。

(白木真紀、田実直美)

  • 1/1

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ