米国株式市場は続落、アップルが重し

2016年1月1日(金)08時34分

[ニューヨーク 31日 ロイター] - 31日の米国株式市場は続落で取引を終えた。米アップルが売られて全体水準を押し下げた。年間では過去最高値の度重なる更新の一方で、夏場には大規模な下落も経験するなど、株価は乱高下した。

ダウ工業株30種平均は178.84ドル(1.02%)安の1万7425.03ドルで取引を終えた。S&P総合500種指数は19.42ポイント(0.94%)安の2043.94。ナスダック総合指数は58.44ポイント(1.15%)安の5007.41だった。

アップルは1.9%安で、ダウなど主要3指数の最も大きく押し下げた。スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売が市場予想を下回る可能性が不安視されており、年間では4.5%安と、2008年以来初めてのマイナスとなった。

S&Pハイテク株指数は1.43%低下し、主要10部門で最も軟調だった。この日はS&Pエネルギー株指数以外の9部門が値を下げた。エネルギー指数は0.34%上昇し、今年みられた下落傾向を逆転して1年を終えた。

年間では、ダウが2.23%、S&Pが0.71%それぞれ下落した。一方でナスダックは5.73%の上昇だった。

速報値に基づくと、S&P構成銘柄全体でみた利回り(配当含む)は約1.40%だった。

今年の軟調な株式相場は主に原油安によるものだった。エネルギー部門は通年で約24%値下がりし、金融危機後の世界的な景気後退以降で最大の落ち込みとなった。S&Pの中で最も振るわなかった10銘柄のうち8つはエネルギー関連だった。天然ガス大手のチェサピーク・エナジーは年間で約77%値下がりした。

一方、今年最も良かったのは一般消費財関連で、8.43%上昇した。動画配信サービス大手ネットフリックスとオンライン小売り大手アマゾン・ドットコムが134%と118%の上昇で、全体を押し上げた。

S&Pは5月に過去最高値をつけた後、中国が発端となった世界的な成長鈍化懸念から8月には8日間で約11%の急落を経験した。投資家の不安心理の度合いを示すCBOEボラティリティ指数は約7年ぶりの高水準をつけた。相場はその後、徐々に安定した。

ナショナル・セキュリティーズのチーフ・マーケット・ストラテジスト、ドナルド・セルキン氏は「2014年12月31日に寝て、今日目を覚ましたら、なんとさえない1年だったのだろうと思うだろうが、実際はその間にかなり乱高下した」と振り返る。

31日の騰落銘柄数は、ニューヨーク証券取引所では上げ1882で下げ1163だった。一方ナスダックは下げ1869で上げ1022だった。

米取引所の合算出来高は約53億株で、直近20営業日の平均である72億株を下回った。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 17425.03 -178.84 -1.02 17590.66 17590.66 17421.16

前営業日終値 17603.87

ナスダック総合 5007.41 -58.44 -1.15 5047.04 5058.06 5007.01

前営業日終値 5065.85

S&P総合500種 2043.94 -19.42 -0.94 2060.59 2062.54 2043.62

前営業日終値 2063.36

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