アングル:世界の半導体メーカー、自動車関連参入目指し合併相次ぐ

2015年12月7日(月)14時41分

[ベルリン 4日 ロイター] - 半導体業界では、かつて主力分野であったコンピューターと携帯電話の両市場の需要低迷を背景に、各社は売上高増大を目指して自動車向けエレクトロニクス分野に目を向けており、この1年、目標達成に向けた企業合併の動きが相次いでいる。

大手半導体メーカーは従来、自動車用エレクトロニクスは手掛けるには規模が小さすぎるとして相手にしていなかったが、米電気自動車(EV)メーカーのテスラに加え、グーグル、アップルなどのハイテク企業が自動車を「インターネットで接続された機器」に変貌させる取り組みを急発進させたのに伴い、この分野に目を向けている。

11月30日には、オランダの半導体メーカー、NXPが米フリースケール・セミコンダクタを118億ドルで買収する案件で、手続き完了へ向けた態勢が整った。実現すれば、自動車向け半導体メーカーでは、ルネサスを抜いて世界最大手に躍り出る。また独半導体大手インフィニオンは既にルネサスへの出資交渉を開始したと報じられている。

一方、欧州の半導体メーカー、ダイアログは同業の米アトメルの買収により自動車向け半導体分野への参入を目指している。ダイアログはアップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」向けの半導体の供給で利益を上げている。

欧州ではメレキシス、ミクロナス、エルモスがそれぞれ小規模な自動車向け事業を持ち、買収の標的になる可能性がある。

ガートナーによると、自動車向け半導体市場は2019年までに年平均6%で成長し400億ドルの規模に達すると見込まれている。一方、世界の半導体市場全体は今年、規模が0.8%縮小して3378億ドルとなる見通しだ。

欧州の3大半導体メーカー、インフィニオン、NXPとSTマイクロエレクトロニクスとルネサスの各社は幅広い半導体を手掛けるが、自動車向けの半導体への対応を強化している。この4社で世界の自動車向け半導体の50%近くを占める。

さらにコンピューターや携帯電話向け半導体を手掛ける米エヌビディアやクアルコムのほか、インテルも米アルテラの買収を通して自動車向け半導体分野への参入を目指している。

*写真のキャプションを修正しました。

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