アジア減速、邦銀経営への影響を注視 現時点では限定的=日銀
2015年10月23日(金)20時09分
[東京 23日 ロイター] - 日銀は23日、金融システムの現状と展望をまとめた「金融システムリポート」を公表した。夏場以降の中国株急落などをきっかけにした金融市場の不安定化や、中国など新興国経済の減速が国内銀行の経営に与える影響を分析し、今のところ影響は限定的とした。
ただ、動向次第ではリスクと財務基盤のバランスなどへの影響に注視が必要としている。
大手行を中心に海外向け貸出の増勢が続くなか、最近の中国をはじめとした新興国経済減速や市場変動が邦銀経営に与える影響も懸念される。
リポートによると、アジア経済の減速懸念の強まりを受け、これまで高い伸びが続いてきたアジア向けの貸出が鈍化するとともに、足元では「関連融資の審査や中間管理を慎重に行う動きも見られる」という。
ただ、経営への影響では、信用コストの目立った上昇は見られていないなど、「金融機関の健全性への影響は今のところ限定的」と分析。株安とボラティリティの上昇を受けて9月末の金融機関の有価証券評価益は3月末に比べて11.9%減少するとともに、株式リスク量は19%増加したが、39.6兆円のリスク量に対して53兆円の自己資本を保有するなど「リスク量対比でみて資本基盤が充実した状況にある」としている。
もっとも、金融市場のボラティリティの高まりは「その度合いによっては、金融機関のリスクと財務基盤のバランスに影響を及ぼし得る」と指摘。アジア経済のさらなる減速も「金融機関の貸出ポートフォリオの質にも影響する可能性がある」とし、適切なリスク管理を促している。
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