英国のEU残留希望示唆、習主席「対中関係強化へ役割発揮を」

2015年10月24日(土)03時33分

[北京 23日 ロイター] - 英国を公式訪問中の習近平・中国国家主席はキャメロン英首相に対し、欧州連合(EU)と中国との関係促進のため重要な役割を果たすことを期待していると述べ、英国のEU残留を希望していることを間接的に示唆した。

習国家主席は22日夜、キャメロン首相の公式別荘「チェッカーズ」に招かれ会談した。中国外務省が23日に公表した声明によると国家主席は、EUが中国の戦略的パートナーであり最大の貿易相手国でもあると強調。「中国はEUが団結するよう希望しており、英国がEUの重要な一員として、わが国とEUとの関係強化に一段と前向きで建設的な役割を果たすことができると期待している」と述べたという。

キャメロン英首相はEU離脱の是非を問う国民投票を2017年末までに実施する予定。中国は他国の国民投票がらみの意見を表明することは内政干渉とみており、今回はまれなケースとなった。

外交筋によると、中国政府は自由貿易を支持している英国がEUを離脱することを懸念しており、英国が抜ければEUと米国のパワーバランスが崩れるとみているもようだ。

キャメロン首相は、今回の習主席の訪問でこれまでに400億ポンド(620億ドル)相当の事業契約を締結したと表明。契約には英国が進める原子力発電事業への中国からの投資などが含まれるが、原発のような慎重さが求められる分野を中国の管理にゆだねてよいのかといった批判の声も挙がる。

オズボーン財務相はスカイテレビとのインタビューで、相互関係とは原発建設や近代科学への投資などで協力することであると同時に、サイバーセキュリティや人権などの問題について率直に話し合うことでもあると語った。

*内容を追加して再送します。

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