各中銀に失敗余地なし、世界は「平凡な」成長環境に=IMF会合

2015年10月9日(金)12時26分

[リマ 8日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事、イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁、ブラジルのレビ財務相は8日、IMFが開いたパネルディスカッション会合に出席した。この中で、世界経済が低成長となるなか、各中央銀行には失敗が許される余地はほとんどないとの見解が示された。

ラガルド専務理事は、世界的な金融危機以降、先進国の中銀が7兆ドル規模の量的緩和を打ち出したにもかかわらず、世界は「新しい平凡な(new mediocre)」成長パターンにとらわれていると指摘。経済の構造改革に加え、財政出動の余地がある国に行動を求めた。

カーニー総裁は「失敗が許されるような経済状況ではない」と発言。討議の参加者は、新興国企業の過剰な借り入れやコモディティ(商品)に依存した新興国経済、中国景気の減速が主要なリスクだとの認識で一致した。

レビ財務相は「世界には豊富な預金がある」と指摘。多くのキャッシュを抱える年金基金や機関に対し、インフラ事業への投資を求めた。ただ、世界的な需要低迷の中でリターンが得られるかどうか不透明なことからインフラ投資に意欲を示すところはあまりないようだとも付け加えた。

ラガルド専務理事は経済の構造改革が必要と訴えたほか、財政に余裕のある国は歳出を拡大すべきとあらためて強調した。ただ欧州や、議会が激しく対立している米国では政治的に困難とみられる。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長は、欧州については政策が効果を上げており、悲劇的な成長予想は適切ではないとの見解を示した。

「今年は既にギリシャを除くすべてのユーロ圏加盟国がプラス成長を回復した」と指摘した。

*内容を追加しました。

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