機械受注、8月で3カ月連続減 投資姿勢が急速に慎重化

2015年10月8日(木)10時29分

[東京 8日 ロイター] - 8月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比5.7%減の7594億円となった。3カ月連続の減少。ロイター事前予測3.2%増を大きく下回った。前年比でも3.5%減だった。

中国経済や世界経済への不安の影響が投資マインドに影響したとみられ、内閣府は先月に続き判断を下方修正し「足踏みがみられる」とした。

国内民需の3カ月連続の減少は、リーマンショック翌年の09年3─5月以来のこと。受注額水準は昨年6月以来の低水準となった。

製造業からの受注はは前月比3.2%減で3カ月連続減少、電機工業からの半導体製造装置や鉄鋼業からの重電機類、自動車・同付属品からの受注減などが足を引っ張った。

非製造業は同6.1%減となり、2カ月連続の減少。金融・保険業や運輸・郵便業、その他非製造業からの受注が減少した。

外需も、同26.1%減と大幅な減少となった。

内閣府は、中国経済や世界経済の影響が出てきている可能性があるとみており、機械受注の判断を「足踏みがみられる」として、先月に続いて連続下方修正した。

この結果、7─9月の見通し前期比0.3%増の達成には、9月に過去に例をみない43.5%もの伸びが必要となるため、現実的には減少に転じるとことが確実だ。日銀短観では今年度の設備投資計画は上方修正され強めとなっていたが、実際には企業の投資姿勢が急速に慎重化している姿が浮彫りとなった。

*内容を追加します。

(中川泉 編集:田中志保)

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