米8月貿易赤字15.6%増、5カ月ぶりの拡大幅

2015年10月6日(火)23時52分

[ワシントン 6日 ロイター] - 米商務省が6日発表した8月の貿易収支は赤字額が前月比15.6%増の483億ドルで、増加幅は5カ月ぶりの大きさとなった。世界経済の減速の伴い輸出が減る一方で、中国からの輸入が大幅に増え、赤字額は市場予想の474億ドルを大きく上回った。

7月の赤字額が非常に少なかったことも8月の拡大幅を際立たせる要因となったが、赤字の増加幅はここ数年の平均を大きく上回っている。米国以外の世界経済の低迷が見込まれる中で、米経済は個人消費など内需に成長の原動力を求めることになりそうだ。

8月の貿易統計を受け、米国の第3・四半期国内総生産(GDP)の伸びがアナリストらの予想をやや下回る可能性がある。米経済がドル高や軟調な海外の需要に左右されやすいことを示しており、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを躊躇する材料となるかもしれない。

8月の赤字拡大の要因の一つが、米国の利上げ観測に伴うドル高だ。米経済が主要な貿易相手国と比べて底堅いことを反映しているが、ドルが値上がりすると米国製品は海外で割高となる。

海外需要の鈍化も一因だった。ルー財務長官は、今週ペルーで開かれる国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会で各国に経済刺激策の導入を呼びかける見込みだ。

輸出は2.0%減った。金額ベースで2012年10月以来の低水準だった。メキシコへの輸出が前月比15億ドル減った。欧州連合(EU)への輸出は5億ドル減少した。

輸入総額は、石油の輸入が2004年9月以来の低水準になったにもかかわらず、1.2%増加した。

消費財の輸入は40億ドル増加した。うち5割以上が携帯電話と家庭用品だった。

中国からの輸入は3.0%増えた。中国の経済破綻懸念でここ数カ月間、中国通貨の人民元は大幅に値下がりしている。

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