ロイター調査:米9月利上げ観測後退、雇用統計受け

2015年9月5日(土)05時28分

[4日 ロイター] - 4日に発表された8月の米雇用統計発表後にロイターが実施したプライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)調査で、年内に利上が実施されるとの観測は根強いものの、世界的な市場の乱高下を受け9月利上げ観測が大幅に後退していることが分かった。

今回の調査では、プライマリーディーラー17社中10社が利上げは今年第4・四半期、もしくはそれ以降に実施されると予想していると回答。9月に利上げが実施されるとの予想を示したのは7社にとどまり、前月の調査の13社から減少した。

株式市場と商品(コモディティー)市場で数週間にわたり売りが優勢となる状態が継続したこと受け、9月に利上げが実施されるとの予想に対する確信が揺らいだとの回答も複数あった。

ジェフリーズ(ニューヨーク)の短期金融市場エコノミスト、トム・シモンズ氏は、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)までに商品市場がどのように動くかがFRBの決定のカギになると指摘。「商品相場が回復し安定化すれば、利上げの可能性はある。回復しなければ利上げは見送られると見ている」と述べた。ジェフリーズはFRBの利上げ開始は12月になるとの予想を示している。

一方、UBSのエコノミスト、サミュエル・コフィン氏は、「金融市場の動向は明らかにマイナス要因だが、米経済の勢いが増している兆候も出ている」と指摘。UBSはFRBは9月に利上げに踏み切ると予想している。

8月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比17万3000人増加。市場予想の22万人増にとどかなかったものの、失業率は5.1%と7年半ぶりの低水準に改善、賃金上昇も加速した。

今回の調査では、9月利上げ確率の平均は40%と、前月の調査から20%ポイント低下。フェデラル・ファンド(FF)金利の予想中央値は2015年末時点が0.375%、2016年末時点が1.375%。予想水準は前回調査からやや低下した。

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