不良債権が信用の流れを抑制、欧州の銀行部門に懸念=IMF専務理事

2015年9月5日(土)00時55分

[アンカラ 4日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は4日、欧州経済を押し上げるための投資に必要な信用の流れは、銀行が抱える不良債権によって依然抑制されていると述べた。

経済規模で世界2位の中国の成長が減速する中、トルコではG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれている。会議に合わせて開催されたビジネス会議で講演したラガルド氏は、金融部門の構造改革や、欧州中央銀行(ECB)による国債買い入れプログラムにもかかわらず「依然として詰まっているパイプがあり、投資促進に必要な信用の流れは勢いが十分でない」と述べた。

その上で「欧州には処理しなければならない不良債権がまだたくさんある。健全な回路から除かなければならない」と付け加えた。

国内総生産(GDP)の1%をインフラ投資に充てれば、先進国のGDPを年間0.4%、4年後には1.5%押し上げるとするIMFの分析を紹介。インフラ投資の重要性を主張した。

欧州連合(EU)は成長促進のために3150億ユーロ(3500億ドル)を拠出する投資の3カ年計画をスタートさせた。それでもなおECBは今年のユーロ圏の成長見通しを1.4%増とし、前回予想の1.5%増から引き下げた。2017年も1.8%増とし、前回の2.0%増から引き下げている。

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