中国政府、過去1年で香港不動産に7000万ドル投資 デモ受け拡大か

2015年9月1日(火)14時42分

[香港 1日 ロイター] - 中国政府が過去1年間で少なくとも7000万ドルを投じ、香港の不動産を購入していたことが公的記録で判明した。香港で昨年、若者を中心とする真の普通選挙を求める大規模デモが起きて以降、中国政府がプレゼンスを拡大している可能性がある。

中国当局者に近い関係筋3人によると、今回の動きは香港の統制を強めたい中国政府の意向が働いているという。

ロイターが500件以上の登記記録を確認したところ、主要道路を占拠していたデモ隊が警察によって排除された昨年12月以降、中国政府の香港出先機関にあたる中央人民政府駐香港特別行政区連絡弁公室(中連弁)が少なくとも62の新築アパートに7000万ドル超を投じていた。

この中には富豪として知られる恒基兆業地産(ヘンダーソン・ランド)の李兆基会長が所有する企業が売り出した物件も含まれている。

恒基兆業は自社と無関係としてコメントを拒否した。

中連弁のスタッフと日頃から接触している全国人民代表大会(全人代)の香港代表は「彼ら(中連弁)は(香港の民主化活動を)非常に懸念している。彼らがプレゼンスを拡大しようとするのは当然だと思う」と述べた。

中連弁とつながりのある別の関係筋は「昨年のデモ以降、彼ら(中連弁)が香港でのプレゼンス拡大ペースを加速させているか確実なことは言えない」と指摘。「しかし、今回の動きは過去数年間にわたる彼らの拡大パターンに沿ったものではないか」と述べた。

中国への香港返還から2年後の1999年に設立された中連弁は、既に香港でかなりの額に及ぶ不動産ポートフォリオを抱えている。

中連弁は香港における不動産購入に関するコメントを拒否した。

香港の憲法にあたる「基本法」は香港の高度な自治を約束しているが、中連弁が香港で不動産を購入することを規制していない。

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