中国株安、米ファンドマネジャーは当局の介入望まず

2015年9月1日(火)04時59分

[ボストン/ニューヨーク 31日 ロイター] - 中国株式市場がこのところ不安定になっていることについて、米国のファンドマネジャーは、短期的にポートフォリオが傷付くことになったとしても、当局の介入を望んでいないことがロイターの取材で明らかになった。

カルバート・エマージング・マーケッツ・エクイティ・ファンドの首席ポートフォリオマネジャー、ギャリー・グリーンバーグ氏は、当局による介入が少なければ少ないほど「本当の意味での市場」が実現され、長期的なバリュエーションに恩恵がもたらされると指摘。「偽物の市場は不信感を呼び、不信感によりバリュエーションが低下する」と述べた。

こうした見方はロイターが取材した多くの米国の新興国市場ファンドの責任者が共有。取材したなかでも規模が320億ドルと最大のオッペンハイマー・ディベロッピング・マーケッツ・ファンドの首席投資責任者(CIO)、クリシュナ・メナニ氏は、当局の介入により経済情勢が実際ははるかに悪い可能性があることが示唆されるため「投資家の間で世界的に恐怖感が広まる」と述べた。

米ファンドマネジャーの間でこうした見方が出ていることは、中国当局が国内投資家の安心感を高めながら経済の開放を進めることの難しさを示している。

ただ、ブラックロックのシニア投資ストラテジスト、ジェラルド・ロドリゲス氏は、「当局が現在打ち出しているすべての措置は、最終的には市場原理に基づく市場形成の礎となる可能性がある」と指摘。中国当局の介入に対する懐疑感も今のところは中国からの資金大量流出にはつながっていないこともあり、一部ファンドマネジャーの間では中国当局の対応を容認する姿勢も見られる。

とは言え、T・ロウ・プライス・グループのポートフォリオ・スペシャリスト、チャック・クヌドセン氏は、「政府が株式市場に介入することで、政府に対する信頼感が失われる」と指摘。ファンドマネジャーの間では市場志向型のアプローチを望む声が大勢のようだ。

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