東芝、決算発表と有報提出を7日に再延期 新たに10件の会計問題

2015年8月31日(月)23時13分

[東京 31日 ロイター] - 不正会計問題に揺れる東芝は31日、同日予定していた2015年3月期の決算発表を延期すると発表した。新たに10件の会計処理の疑いが発覚し、連結決算の確定が遅れたため。同日が期限だった有価証券報告書(有報)の提出は、9月7日に再延長した。

もともと15年3月期の有報提出は6月30日が期限だったが、同社は5月29日付で、不正会計問題の調査を理由に8月31日に延期すると発表。これに向けて8月18日には、連結当期純損益を除く業績予想を公表し、31日の決算発表と有報提出の準備を整えていた。

しかし、31日夜に記者会見した室町正志社長は「18日以降、新たに約10件の事案が発覚した」と説明。内訳は、国内外子会社の会計処理、固定資産の減損額の計算ミス、米国子会社の工事進行基準案件の引当計上の処理で、これによって決算が確定したのは27日となり、監査法人への提出は30日に遅れた。

ただ、室町社長は「新たな事案は巨額になるということではない」とも述べ、これまで公表した総額2130億円の不正会計金額の大きな変更にはつながらないと強調した。

さらに、米国子会社で発覚した工事進行基準の処理の疑いも「ウエスチングハウスではない。米国の水力案件のコスト見直しだ」と説明。18日に公表した連結業績予想(営業利益1700億円、税引前利益1400億円)についても「大きな差は出ていない」とした。

新日本監査法人からは、監査完了までに7日程度が必要との連絡を受けており、再延期の期限を9月7日とした。室町社長は「深く責任を感じている」と陳謝。その上で「万が一の事態に至った場合は進退問題含めて責任をとる」と述べ、新たな期限までに必ず決算を発表し、有報を提出するとの意向を強調した。

*内容を追加して再送しました。

(村井令二 編集:北松克朗)

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