鉱工業生産、7月は予想に反し低下 先行き在庫調整継続で一進一退

2015年8月31日(月)10時57分

[東京 31日 ロイター] - 経済産業省が31日発表した7月鉱工業生産指数速報は、電子部品や自動車部品を中心に前月比0.6%低下した。2カ月ぶりの低下となった。事前予測の前月比0.1%上昇を下回った。在庫指数はやや低下し調整は進んだが、水準はまだ高い。

先行き予測指数は、IT投資や電子部品の需要回復期待がけん引する一方で、中国経済減速や国内消費の低調を背景に、建設機械や原材料需要の停滞から一進一退が続く見通し。

7月の生産低下の主因は、電子部品・デバイス。スマートフォン向けの部品が低調だった。このほか、輸送用機械もエンジンや特別車ボディーなど部品関連が低調。また、情報通信機械は外部記憶装置やデスクトップ型パソコンが減産となった。

出荷は、前月比0.3%低下。やはり電子部品・デバイスが低調だったほか、低めの気温で冷房向け重油が少なめだったことを主因に石油・石炭鉱業も低下した。

在庫は、出荷の落ち込みよりも生産の低下幅がやや大きくなり、前月比0.8%低下。在庫調整は進んでいるが、建設機械や樹脂原材料、石油製品、エアコンや冷蔵庫、食缶やアルミニム、繊維製品などが上昇し、全体としてまだ前年同月より高めとなっている。

先行きの予測指数は8月が前月比2.8%上昇、9月が1.7%の低下と、一進一退となった。在庫水準がまだ高めとなっていることから、この先も建設機械や鉄鋼などを中心に、在庫調整のための減産が続く見通し。また消費の低調が響き、非耐久消費財を中心に生産計画の下振れが目立つ。

輸送機械では、普通乗用車や小型車は出荷が好調で在庫も低下してきたが、軽自動車は引き続き在庫調整が続く見通しで、生産の回復は見込みにくい。

経済産業省は生産の基調判断を「一進一退で推移」として据え置いた。

*内容を追加します。

(中川泉 編集:山川薫)

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