天津爆発、中国保険会社の財務圧迫へ=フィッチ

2015年8月19日(水)01時52分

[フランクフルト 18日 ロイター] - 格付け会社フィッチ・レーティングスは18日、中国天津市で12日に起きた大規模な爆発について、域内の保険会社の財務を圧迫するとの見方を示した。

フィッチは「この地域は保険の浸透度が高く、中国の保険業界にとって、天津の爆発を受けた保険請求は過去数年間で最大規模になるかもしれない」と指摘。保険請求が一部の域内保険会社などの財務パフォーマンスを弱める可能性が高いとした。

その上で、中国の保険業界全体の信用力がどのように影響を受けるかについて述べるのは時期尚早だとした。

クレディ・スイスのアナリストは、中国メディアの報道から試算し、天津の大規模爆発による当初の保険損失は合計で10億─15億ドルに上ると推計。しかしフィッチは損失額がこの推計を上回る可能性があるとの見解を示した。

フィッチによると、推計額の上限は、中国人民財産保険、中国平安保険、中国太平洋保険(集団)、中国太平保険など、天津地域にエクスポージャーのある中国保険会社6社の株主資本全体の5%超に相当する。

また、この域内の損保会社は通常、地元もしくは外資の再保険会社に約10─15%分のリスクを移転していることから、同国最大の中国再保険集団のほか、スイス再保険や独ハノーバー再保険、ミュンヘン再保険などの欧州勢にも影響が波及する可能性がある。

再保険の関係者らはこの日、保険会社が再保険会社に保険請求を移転する可能性や規模などについてコメントすることは時期尚早とした。

ハノーバー再保険の広報は、保険請求支払いを負担する可能性はあるとした。

*内容を追加して再送します。

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