インタビュー:来夏に物価目標達成、追加緩和不要=内閣官房参与

2015年8月4日(火)22時39分

[東京 4日 ロイター] - 安倍晋三首相の経済アドバイザーを務める本田悦朗・内閣官房参与は4日、ロイターのインタビューに応じ、来年夏にかけて、日銀が目標とする物価上昇率2%近辺に達するとし「追加緩和の必要はない」との認識を示した。

金融政策の次の一手は、テーパリング(緩和度合を緩めること)になると示唆。時期は2017年4月に予定される消費税率10%への引き上げ後の経済状況を見極め判断していくことになると展望した。

17日発表の4─6月期国内総生産(GDP)について、消費の落ち込みはボーナス支給月の遅れや天候要因などによる「一時的なものだ」とし、「基調として、景気は回復傾向にあり、今年後半にかけて消費も物価も上昇してくる」と語った。

6月毎月勤労統計で実質賃金はマイナス圏に沈んだが「一時的なもの」とし、所定内給与と所定外給与を合わせた定期的に支給される給与でみると、若干のプラスになることを挙げ、実質賃金の上昇傾向に変わりないとした。

コアCPIはゼロ近辺にあるが、原油価格下落の影響がはく落してくれば、物価は9月以降、上昇を加速させると見通し、「基調として物価上昇が続いている」と語った。

物価目標達成時期について「2016年の夏ごろまでに2%近辺に達する」とし、「追加緩和の必要はない」と指摘。当面、政策スタンスを変更する必要性はないと繰り返し、不必要な追加緩和は円安やインフレ率のオーバーシュートにつながると懸念を示した。

追加緩和で円安が加速するリスクに関しては「企業が対応できるスピートでゆっくり円安傾向が進めばよいが、不確定要因で円安に振れてしまうと企業にとってマイナスになる」と語った。

本田氏は「1ドル125円に近付くと、123円に戻り、非常にいいラインで動いている。(為替動向について)今心配することはない」と語った。

一方、財政政策では、足元低迷している個人消費が復調しなければ、財政出動の必要性に言及。7─9月期の数字をみたうえで、今年度、国費ベースで3兆円程度の補正予算で下支えする必要があると述べた。さらに17年4月の消費税増税の環境整備として引き上げ前後に、3兆円程度の補正が必要との認識も示した。

マクロ政策運営に関し、当初は「今年の今ぐらい(2015年夏)には2%に近づき、3カ月くらい様子を見て、テーパリングに入り、来年(2016年)の10月ごろにはデフレ脱却宣言したうえで、最終的な消費増税の確認を行うシナリオをもっていた」という。

本田氏は「(日銀の)テーパリングについて今から言及するのは時期尚早だが、タイミングとしては、消費増税の影響をみてからのほうが安全だ」と述べた。

安倍首相の自民党総裁再選後の政策課題について、日銀法改正を第一に挙げ「2度とデフレにしないためには、日銀法改正(が不可欠)」とした。ポスト黒田日銀総裁後を念頭に「来年の通常国会か臨時国会に法案を出したい」と述べた。

(吉川裕子 梶本哲史 編集:田巻一彦)

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