富士重、4―6月期営業利益は過去最高 円安と北米好調で

2015年7月31日(金)20時10分

[東京 31日 ロイター] - 富士重工業が31日発表した2015年第1・四半期(4―6月期)連結決算によると、営業利益は前年同期比70.5%増の1342億円となり、すべての四半期を通じて過去最高だった。主力の北米販売が好調だったほか、円安効果が寄与した。

足元はほぼ計画通りに進んでおり、16年3月期通期での連結業績予想、世界販売計画は期初から変更しない。

トムソン・ロイターの調査によると、アナリスト9人の予測平均値は1290億円で、営業利益の実績はこれを上回っている。

営業利益の押し上げ効果としては、円安など為替変動が500億円、販売拡大が176億円。一方、タカタ製エアバッグ問題に伴う追加リコール費用約50億円、約30万台分が減益要因となった。

売上高は同29%増の7652億円で、第1・四半期として過去最高を更新。純利益は同61%増の841億円で、すべての四半期ベースで過去最高となった。

営業利益率も17.5%と過去最高レベル。会見した高橋充専務は、商品が収益性の高いスポーツ用多目的車(SUV)中心であることや日米工場がフル操業状態にあること、円安効果があることなどを挙げ、「数々の(良い)要因が重なった」と指摘。その上で、「未来永劫この数字を続けるのは難しい」が、どんなに状況が悪化しても「2ケタは維持したい」との方針を示した。

<米利上げ観測「スバル販売にすぐ影響しない」>

連結販売台数は同16.2%増の22万5000台と第1・四半期として過去最高を記録した。このうち、主力市場の北米は同25.3%増の15万4000台だった。SUV「アウトバック」などが好調だった。

高橋専務は、今年の米国の新車需要について「年1700万台に達する可能性が高い」との見通しを示した。米国での利上げ観測が広がっていることに関しては「ローンを組むお客様にとっては金利が上がるのでマイナスの方向になる」としながらも、利上げは「逆に経済が堅調であることの証」とも指摘し、「利上げがスバルの販売にすぐ影響を与えるとは考えていない」との見解を示した。

*内容を追加します。

(白木真紀)

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