野村HD4─6月期の当期利益は687億円、リテール好調

2015年7月29日(水)17時30分

[東京 29日 ロイター] - 野村ホールディングスが29日発表した2015年4─6月期連結決算(米国会計基準)は、当期利益が前年同期比3.4倍の687億円となり、トムソン・ロイターのアナリストの予測平均値である553億円を上回った。株高を背景に営業部門(リテール)とアセットマネジメント部門が好調だった。

ただ、海外の利益は依然低水準にとどまっている。

日経平均株価が2万円を超えて堅調に推移するなか、個人投資家の株式売買や投資信託の購入意欲が旺盛となり、リテールの税引き前利益は前年同期比61%増の509億円、アセットマネジメントは同42%増の117億円。

昨年は4─6月期に人件費に関連する費用(約180億円)を1年分まとめて計上していたが、これを各四半期に分散して経費を削減できるようになったことも増益を後押しした。

ホールセール部門の税引き前利益は同3.4倍の197億円に回復。ドイツなどを中心とする市場の混乱で、海外の投資銀行がフィクストインカムのトレーディング業務で苦戦するなか、野村も同様のトレンドをたどった。

野村は2016年3月期に海外事業で500億円の税引き前利益を計上することを目標にしているが、4─6月期は27億円にとどまった。

会見で同社の柏木茂介・執行役CFOは、「物足りない」としつつも、英選挙や独国債の急落、中国の株式相場急落があるなかで「よく持ちこたえた」と述べた。コスト管理の効果なども出ており、「引き続き500億円の達成に向けて努力する」と語った。

引き続き外的要因で注目するのは今後の米金利の引き上げと、それによる新興国市場への影響と指摘。中国の景気減速懸念については「経済そのものにはおカネがあり発展途上なので、長期的にみれば大きな心配はしていない」との見解を示した。

*本文3段落目の誤字を修正しました。

(江本恵美 編集:山川薫)

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