ドル123円前半、米雇用統計を前に動意欠く

2015年7月2日(木)15時50分

[東京 2日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の123.37/39円付近だった。朝方には日経平均株価が約200円の上げとなるのをながめながらじりじり買われたが、午後に入ると海外時間の米雇用統計の発表を前に様子見ムードが強まり、動意に乏しい展開となった。株価が大引けにかけて上げ幅を縮める中では、上値が重くなる場面もあった。

前日の米経済指標が良い内容だったことや、5日の国民投票までギリシャ情勢に一服感が出てきたことなどもあり、朝方からドル買い/円売りが出やすい地合いとなった。きょうの米雇用統計に対する期待感もドルの支援要因になっているとみられ、朝方の123.10円台から午前11時過ぎには123.47円まで上昇した。

市場では「122円ちょうど近辺の底堅さが意識されており、昨日は短期筋もいったん下攻めをあきらめていたようだ。きょうは株高で円売りには安心感がある」(国内金融機関)との声がでていた。

<米雇用統計を前に様子見ムード強まる>

正午にかけて利食いや調整が入り、小幅に押された後、午後に入るときょうの米雇用統計の発表を前に、様子見ムードが強まった。午後のドル/円は123.30─123.47円の狭いレンジでの小動きに終始し、ユーロ/ドルも1.1064─1.1077ドルと値幅は出なかった。

雇用統計が市場予想より強い数字となった場合、「123円前半が発射台なら、123円後半まで上昇する余地がある」(国内金融機関)という。ただ、123円半ばから上方向には戻り売りの注文がまとまって観測されている上、ギリシャ情勢の先行き不透明感も引き続き意識されており「124円にしっかり乗せにいくような地合いかどうかは微妙」(同)との声もあった。

米国では連休を控えていることもあって、イベント通過後には調整局面も意識され、神経質な相場になる可能性がある。三菱東京UFJ銀行の金融市場部次長、中山成武氏は、雇用統計が良好な内容だった場合には素直な相場反応が出るとみているが「122円台でロングを作った向きもあり、上がったところでは利益確定の売りが出やすい」とも指摘している。もっとも、指標の内容次第では、利上げへの思惑が急速に高まる可能性もあるため注意が必要だという。

逆に悪い内容だった場合、「雇用統計への期待の高まりとともにドル/円は上昇してきただけに、下落の方が値幅が出そう」(別の国内金融機関)との見方も聞かれた。市場予想とのかい離幅次第では、目先のサポートとされる122円ちょうどをうかがう展開もありえるという。

ユーロに関しては、直近では1.0955ドルまで下落した後に反転しており、同水準が下値のめどとして意識されそうだという。「雇用統計でドル買いが強まるようなら、ユーロはこの下値めど辺りを目指す可能性もある」(同)という。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 123.37/39 1.1071/75 136.59/63

午前9時現在 123.32/34 1.1035/39 136.09/13

NY午後5時 123.16/19 1.1052/57 136.13/17

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