米5月小売売上高は1.2%増、経済の勢い加速を示唆
[ワシントン 11日 ロイター] - 米商務省が11日発表した5月の米小売売上高は前月比1.2%増で、市場予想の1.1%増を上回った。自動車を含め幅広い業種で消費が増え、経済がようやく勢いをつけてきたことを示唆した。
4月は当初発表の横ばいから0.2%増に上方修正された。3月の数字も1.1%増から1.5%増へと引き上げられた。
5月は自動車とガソリン、建材、外食を除いたコア売上高も0.7%増えた。市場予想は0.5%増だった。4月は当初発表の横ばいから0.1%増に上方修正された。コア売上高は、国内総生産(GDP)の計算に使われる個人消費支出との連動性が最も高いとされる。
第2・四半期の出だしの米経済指標は振るわなかったが、この日発表された底堅い小売売上高は経済が活性化しつつあることを示している。先に発表された5月の米雇用統計では雇用創出に堅調さが戻った。
製造業の活動も安定しつつある。こうした動きを受けて、米連邦準備理事会(FRB)は予定通り年内に利上げを始める可能性は高い。
高い貯蓄率や住宅価格の上昇、雇用市場の引き締まりを背景に個人消費は向こう数カ月間、底堅い傾向が続くとみられる。
ミラー・タバクの首席経済ストラテジスト、アンソニー・カリダキス氏は、今回の結果は「FRBが9月に利上げに踏み切るとの観測を後押しするものだった」と指摘。
また、3月の数字が上方修正されたことについて、キャピタル・エコノミクスの首席米国エコノミスト、ポール・アッシュワース氏は、「米経済は第1・四半期にマイナス成長に陥っていなかった可能性もある」としている。
5月の小売売上高の内訳は、自動車・同部品が2.0%増と大きく伸びた。ガソリンスタンドはガソリン価格の上昇に伴って3.7%伸びた。このほか、電子・家電が0.1%、家具・装飾は0.8%、服飾は1.5%、オンライン小売りは1.4%、スポーツ用品・趣味関連も0.8%、建材・園芸は2.1%それぞれ増加した。
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