NY市場サマリー(28日)

2015年5月29日(金)07時07分

[28日 ロイター] - <為替> ドルが対円で一時約12年半ぶりの高値を付けた後、麻生太郎財務相の円安けん制発言で大幅に伸び悩んだ。先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に出席中の麻生財務相は足元の円安進行について「荒い動き」と発言し、急ピッチの円安に警戒感を示した。

クレディ・アグリコル(ニューヨーク)の通貨ストラテジスト、マーク・マコーミック氏は麻生氏の発言について「ある程度のドルの利益確定売りを促す理由になった」と指摘した。

朝方はドル買い円売りが活発化。日銀の金融政策が超緩和的な一方、米連邦準備理事会(FRB)は年内に利上げするとの見方が広がっていることが背景だった。この日発表された米国の週間失業保険申請件数と4月中古住宅販売仮契約指数も、FRBによる年内利上げ開始観測を後押しする材料になった。

<債券> 長期債利回りが小幅上昇。利益確定売りに押されたほか、社債発行が重しとなった。一方、午後に入り実施された7年債入札が好調だったことを受け、短期債利回りは低下した。

アナリストは、機関投資家からの引き合いを見込んでこれまで買いを入れていたトレーダーが利益確定売りを出したことを指摘した。

また、米メディア大手タイム・ワーナーが発表した期間が長めの社債発行計画が30年債価格への重しになったことも指摘された。

同日実施された290億ドルの7年債入札は堅調な需要を集めた。7年債入札を受け、流通市場では2─7年債利回りが軒並み、この日の低水準をつけた。

アナリストは、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが一段と緩やかなペースになるとの投資家の見方を反映したと指摘した。

<株式> 反落して終了した。ギリシャ支援協議をめぐる情報が錯綜したことで市場心理が悪化したことに加え、中国株価が急落したことも重しとなった。

この日はS&P500種の主要10業種のうち7業種が値下がりし、S&P工業株が0.4%安で最大の下落率となった。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、ギリシャと国際支援機関が支援の見返りにギリシャが実施する改革案で合意するまでに依然としてやるべき仕事が多く残されているとの見方を示した。

ギリシャ政府は支援団との間で31日までの合意を目指す考えを表明。これに対してユーロ圏の幹部の1人は、週末までに財政改革などの条件面に大筋で合意しない限り、ギリシャが現在の救済プランに基づく資金供給を受けることはできないとの考えを示した。

個別銘柄では米重機大手のキャタピラーが2.2%安となり、S&P500とダウ平均の値下がりに寄与した。この日は輸送関連株が引き続き売られ、ダウ・ジョーンズ輸送株平均は0.9%下落した。

<金先物> 反発。ドルの動きにつれて売り買いが交錯した後、買い優勢となった。ギリシャの債務問題の行方を懸念した動きから株などのリスク資産が軟調で、安全資産の金に資金が流入したほか、ショートカバーの買いも入ったもよう。

<米原油先物> 小反発。米原油在庫の減少などを好感した買いが入った。

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