米国株式市場は反落、ギリシャ懸念・中国株急落が重し

2015年5月29日(金)06時52分

[ニューヨーク 28日 ロイター] - 28日の米国株式市場は反落して終了した。ギリシャ支援協議をめぐる情報が錯綜したことで市場心理が悪化したことに加え、中国株価が急落したことも重しとなった。

この日はS&P500種の主要10業種のうち7業種が値下がりし、S&P工業株が0.4%安で最大の下落率となった。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、ギリシャと国際支援機関が支援の見返りにギリシャが実施する改革案で合意するまでに依然としてやるべき仕事が多く残されているとの見方を示した。

ギリシャ政府は支援団との間で31日までの合意を目指す考えを表明。これに対してユーロ圏の幹部の1人は、週末までに財政改革などの条件面に大筋で合意しない限り、ギリシャが現在の救済プランに基づく資金供給を受けることはできないとの考えを示した。

ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)の首席投資ストラテジスト、マーク・ルスキーニ氏は「誰もが異なるストーリーを市場に発信している。私としては、問題解決に向けて本当はどんな雰囲気なのかを最終的に判断する上で、ギリシャ側よりはEU側の裏付けのある発言を探し求めている」と話した。

個別銘柄では米重機大手のキャタピラーが2.2%安となり、S&P500とダウ平均の値下がりに寄与した。この日は輸送関連株が引き続き売られ、ダウ・ジョーンズ輸送株平均は0.9%下落した。

ダウ工業株30種は36.87ドル(0.20%)安の1万8126.12ドル。

ナスダック総合指数は8.61ポイント(0.17%)安の5097.98。

S&P総合500種は2.69ポイント(0.13%)安の2120.79。

ウエアラブルカメラ製造のゴープロとグーグルは16台のカメラとグーグルのソフトウエアを備えたバーチャルリアリティー(仮想現実)システムを導入すると発表。ゴープロは6.6%高となったが、グーグルはほぼ横ばいだった。

騰落銘柄数はニューヨーク証券取引所が下げ1756で上げ1282(比率は1.37対1)、ナスダックは下げ1468で上げ1277(1.15対1)だった。

BATSグローバル・マーケッツのデータによると、米取引所の合計出来高は約57億株で、今月の平均である62億株を下回った。

(カッコ内は前営業日比)

ダウ工業株30種(ドル)

終値         18126.12(‐36.87)

前営業日終値    18162.99(+121.45)

ナスダック総合

終値         5097.98(‐8.61)

前営業日終値    5106.59(+73.84)

S&P総合500種

終値         2120.79(‐2.69)

前営業日終値    2123.48(+19.28)

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