ドル/円は一時12年半ぶり高値、麻生財務相発言で伸び悩む=NY市場

2015年5月29日(金)07時11分

[ニューヨーク 28日 ロイター] - 28日のニューヨーク外為市場では、ドルが対円で一時約12年半ぶりの高値を付けた後、麻生太郎財務相の円安けん制発言で大幅に伸び悩んだ。

先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に出席中の麻生財務相は足元の円安進行について「荒い動き」と発言し、急ピッチの円安に警戒感を示した。

ドル/円は124.46円に上昇後、終盤は0.2%高の123.915円で取引されている。

クレディ・アグリコル(ニューヨーク)の通貨ストラテジスト、マーク・マコーミック氏は麻生氏の発言について「ある程度のドルの利益確定売りを促す理由になった」と指摘した。

朝方はドル買い円売りが活発化。日銀の金融政策が超緩和的な一方、米連邦準備理事会(FRB)は年内に利上げするとの見方が広がっていることが背景だった。この日発表された米国の週間失業保険申請件数と4月中古住宅販売仮契約指数も、FRBによる年内利上げ開始観測を後押しする材料になった。

コモンウエルス・フォーリン・エクスチェンジのチーフ市場アナリスト、オマー・エシナー氏は「米経済指標の基調は改善している。これで投資家は米金利が年末にかけて上昇することを意識し、先週以来あらためてドルの魅力が高まっている」と述べた。

ユーロ/ドルは終盤の取引で0.4%高の1.09485ドルとなっている。ギリシャと債権団の協議はなお合意に至っていないものの、ギリシャが近く資金を確保してデフォルト(債務不履行)を回避できるとの期待は根強い。

ただクレディ・アグリコルのマコーミック氏は、今後ドルは堅調地合いとなり、年末にはドル/円が128円、ユーロ/ドルは1ドルちょうどになると予想している。

豪ドル/米ドルは1%下落し、約6週間ぶりの安値。オーストラリアの第1・四半期民間新規設備投資が市場予想を下回り、準備銀行(中央銀行)が来週利下げするとの見通しが高まった。

ドル/円    

終値   123.94/96

始値   124.19/24

前営業日終値   123.66/69

ユーロ/ドル  

終値   1.0946/48

始値   1.0902/03

前営業日終値   1.0904/09

*内容を追加しました。

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