4月貿易収支は534億円の赤字、2カ月ぶりも赤字幅は縮小

2015年5月25日(月)10時13分

[東京 25日 ロイター] - 財務省が25日に発表した4月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は534億円の赤字となった。3月には2012年6月以来2年9カ月ぶりに黒字となったが、再び赤字に転じた。

輸出は底堅く推移したが、原油など資源価格の下落によって輸入額が減少し、貿易収支の赤字幅は前年(8255億円の赤字)に比べて大幅縮小した。赤字幅としては2012年3月(818億円の貿易赤字)以来の小幅にとどまった。

先行きについて財務省では「世界経済の持ち直しの動きをベースに、単月の要因が影響してくる。今後の展開については何とも言えない」(財務省幹部)と述べた。

<輸出は8カ月連続増、対米は2カ月連続で2割増>

輸出は前年比8.0%増の6兆5515億円。8カ月連続で増加した。数量ベースでも同1.8%増と2カ月連続で増加した。

品目では自動車(7.2%増)、半導体等電子部品(11.5%増)、原動機(12.7%増)などが増えた。

地域別では、米国向け輸出が前年比21.4%増となり、2カ月連続で2割超の高い伸びを記録した。増加は8カ月連続。自動車輸出が寄与した。

中国向け輸出は同2.4%増で、2カ月連続で増加した。EU向けは同0.8%増で5カ月連続で増加した。

為替レート(税関長公示レート平均)は1ドル119.89円で、対前年比17.0%の円安だった。

<輸入は原油安で4カ月連続減>

輸入は同4.2%減の6兆6049億円。原油価格の低下で、4カ月連続で減少した。原粗油(34.6%減)のほか、液化天然ガス(35.0%減)、鉄鉱石(33.5%減)など、鉱物燃料の減少が影響した。

輸入原粗油単価は前年比40.0%下落の4万2288円/キロリットルで、ドルベースでは同48.8%下落し56.1ドル/バレルだった。

ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、予測中央値は3189億円の赤字。輸出は前年比6.4%増、輸入は同1.5%減だった。  

*内容を追加します。

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