4月米消費者物価は前月比+0.1%、基調に上昇圧力

2015年5月22日(金)23時37分

[ワシントン 22日 ロイター] - 米労働省が22日発表した4月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.1%上昇した。市場予想と一致した。

3月は0.2%の上昇だった。ガソリン安により物価の伸びは鈍化したものの、住居や医療費が上がり、基調的な物価には上昇圧力がかかっている。想定通り連邦準備理事会(FRB)は年後半に利上げを開始することになりそうだ。

4月のCPIは前年同月比では0.2%下落し、2009年10月以来の大きな落ち込みだった。市場予想の0.1%下落よりも大きなマイナスとなった。3月は0.1%の下落だった。

4月は変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIが前月比で0.3%上昇し、13年1月以来の大きな伸びとなった。前年同月比は1.8%上昇だった。3月は前月比が0.2%上昇、前年同月比は1.8%上昇だった。

4月はガソリン価格が前月比で1.7%下落し、3月の3.9%上昇からマイナスへ転じた。食品価格は横ばいとなった。3月は0.2%下落だった。

住居費は前月と同じ0.3%の上昇。景気回復に伴って独立して家計を構える人が増えてきており、今後は賃貸住宅の空き減少とともに住居費が上昇傾向をたどる可能性がある。医療費は0.7%上昇し、07年1月以来の大幅な伸びとなった。家庭用品も08年9月以来の大きな伸びを示した。中古車は0.6%上昇し、3カ月連続で伸びた。

一方、航空運賃は1.3%下落し、3月の1.7%下落に続いて落ち込んだ。衣料は昨年12月以来初めて下落した。

第1・四半期は経済成長が低迷したものの、コアCPIが上昇基調を示していることからFRBは年内に金融引き締めに動くとみられる。

キャピタル・エコノミクスのチーフエコノミスト、ポール・アシュワース氏は「実体経済の持ち直しの証しをさらに認めるまで、利上げを遅らせる理由は減った。利上げ開始は9月が最も可能性が高いが、7月も除外できない。5、6月のコアCPIに底堅い伸びがみられれば7月も可能性がある」と述べる。

20日に公開された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨は「多くの」参加者が、6月までの経済指標では利上げの条件が整ったとする確信を得ることはできないと考えていることを示した。

4月の統計は鉱工業生産や小売売上高などが軟調で、多くのエコノミストは9月の利上げさえも疑い始めている。

FRBは物価上昇率の目標を2%としており、フェデラルファンド(FF)金利をゼロ近辺に据え置いている。

詳細は以下のとおり。

(CPI─U、1982-84=100、前月比は季節調整済み、前年比は季節調整前、%)                   April   March   April15/14 全品目            0.1     0.2     -0.2食品・エネルギーを除く(コア)  0.3     0.2      1.8エネルギー -1.3     1.1    -19.4食品・飲料           UNCH    -0.2      1.9食品           UNCH    -0.2      2.0

CPI─U(都市消費者、調整前)236.599 236.119         

住宅    0.2     0.1        2.2家賃・宿泊費 0.3     0.3        3.0貸家家賃 0.3     0.3        3.5帰属家賃(Y) 0.3     0.3        2.8光熱費 -0.6    -0.9       -1.0

家庭用品・居住関連サービス    0.5     0.2       UNCH被服 -0.3     0.5       -0.8輸送        -0.3     1.1       -9.8新車/中古車          0.2     0.6        0.4新車         0.1     0.2        0.8ガソリン          -1.7     3.9      -31.7医療        0.7     0.3        2.9処方薬              0.3     0.3        5.6レクリエーション(V)     0.1     0.1       UNCH教育/通信(V)       0.2    UNCH        0.3たばこ        UNCH     0.4        2.4商品(コモディティ)       -0.2     0.4       -4.0サービス     0.3     0.1        2.3航空運賃(調整前)        -1.3    -1.7       -7.5CPI―W    0.1     0.3       -0.7 *Y:82年12月=100*V:97年12月=100*CPI─W:都市就業者消費者物価指数で、給与所得者・賃金労働者を対象とする物価指数。 実質所得(%変化、インフレ・季節調整後)    Apr Mar Prev Apr15/14  UNCH -0.3 -0.2 2.3 エコノミスト予想(ロイター調査) 全品目       +0.1 pct 全品目(前年比)  -0.1 pct コア指数      +0.2 pct コア指数(前年比) +1.7 pct

※英文参照番号[nL1N0YD0N2][nLLAMGEBJZ](契約の内容によっては英文がご覧いただけない場合もあります)

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