ホンダ今期営業益予想は微増、品質問題とレアル安など為替響く

2015年4月28日(火)21時58分

[東京 28日 ロイター] - ホンダは28日、2016年3月期の連結業績予想(米国会計基準)について、営業利益が前期比1.3%増の6600億円になる見通しと発表した。

コスト削減や販売拡大が寄与するものの、品質問題に伴う費用増やブラジルのレアル安などの為替変動が影響し、小幅増益にとどまる見込み。

トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト28人の予測平均値は8579億円で、会社予想はこれを下回った。

今期の売上高予想は同9.5%増の13兆8500億円、純利益予想は同0.4%増の5250億円、年間配当は前期と同じ88円を予定する。想定為替レートは1ドル=115円(前期は110円)、1ユーロ=125円(同139円)。

営業利益では、前期に比べ米ドルに対する円安効果が690億円ある一方、米ドル建てで部品調達していることなどにより、レアル安、カナダドル安などが1060億円マイナスに働く。その他の為替影響も含め、差し引き850億円押し下げる格好。また、タカタ製エアバッグ欠陥問題や小型車「フィット」の度重なるリコール(回収・無償修理)などを踏まえた品質関連費用と広告宣伝費を受け、販売管理費が増加して900億円圧迫する。

岩村哲夫副社長は決算会見で、為替変動による対応策として引き続き世界での生産補完体制を強化すると説明。さらに品質関連費用の予算枠について、対売上高で1.1―1.2%程度だった従来から、前期・今期はともに1.6%程度に引き上げていることを明かした。

<今期四輪販売、アジア拡大も国内は減少>

四輪の世界販売計画は同6.7%増の465万5000台。地域別の内訳は、北米が同8.2%増の189万台、アジアが同12.6%増の160万5000台。アジアの伸びは中国が主にけん引する。

四輪の国内販売は同2.8%減の74万台を計画。小型車「フィット」などの度重なるリコールで投入が遅れた新車の足元の販売状況、また今期はミニバン「ステップワゴン」など2モデルしか新車投入がないことなどを勘案したという。岩村副社長は「品質問題でブランドイメージがき損した」と述べたが、「十分達成できる台数を計画とした」と語った。

同社は今期の連結業績予想から国際会計基準(IFRS)を適用する。IFRSによる予想数値は、売上高は14兆5000億円、営業利益は6850億円、純利益は5250億円となっている。IFRSによる四輪の世界販売計画は471万5000台。

<前期営業益は13%減>

同時に発表した2015年3月期連結決算(米国会計基準)によると、営業利益は前の期に比べ13.1%減の6517億円と3年ぶりの減益だった。タカタ製エアバッグ欠陥問題やフィットなどの相次ぐリコールに伴い、品質関連費用が膨らんだ。国内販売の低迷なども響いた。

前期の営業利益実績は、従来予想の7200億円に対して680億円ほど下回ったが、このうち半分程度が品質関連費用、残りは国内と米国での販売台数減が主な要因という。

前期の売上高は同6.8%増の12兆6476億円、純利益は同8.9%減の5228億円だった。

*内容を追加して再送します。

(白木真紀)

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