高額紙幣ため込みに手数料課す権限ない=スイス中銀総裁

2015年4月25日(土)02時30分

[ベルン 24日 ロイター] - 預金へのマイナス金利の影響を避けようと高額の紙幣をため込む動きが出ていることに関し、スイス国立銀行(中銀、SNB)のジョルダン総裁は24日、SNBが現金を排除する計画はないし、紙幣の保有に手数料を課す権限もないと述べた。株主総会で参加者からの質問に答えた。

SNBによると、昨年流通したスイス紙幣の3分の2近くは高額な1000スイスフラン紙幣(1050ドル・970ユーロ相当)。

比較的安全な資産とされるスイスフランが急激に値上がりし、スイスの輸出企業が打撃を受けている事態を受け、SNBは昨年12月、フラン高を抑える措置として、1000万フラン以上の預金残高についてマイナス金利を適用。スイスフランへの資金流入を抑制しようとした。

ただ、SNBの調査によると、今年1月と2月に紙幣の需要が増加。高額紙幣の割合が高いことから、資産を蓄える「価値の保存」を求めた動きだと分析した。

クレディ・スイスは「限定的ではあるものの、現金をため込む兆候が表面化している」と指摘している。

総裁は、ギリシャ債務問題について不透明感が続く限り、スイスフランの上昇圧力が強まる可能性があるとも述べた。

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