7&iHD5期連続で営業最高益更新へ、日米コンビニで積極投資

2015年4月2日(木)18時27分

[東京 2日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングスは2日、2016年2月期の連結営業利益が前年比8.6%増の3730億円となり、5期連続で過去最高益を更新する見通しだと発表した。成長をけん引している日米コンビニ事業で新規出店を含めた積極的な投資を行い、一段の事業拡大を図る。

年間配当は4円増配し77円を計画している。

トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト18人の営業利益予測平均値は3791億円だった。

足元の消費について、村田紀敏社長は会見で「現在の消費は緩やかに回復してきている」との認識を示した。大手企業を中心に賃上げが決まっているほか、苦戦する地方にとっては、ガソリン価格の下落が消費に対してプラスに働く。

売上高に相当する営業収益は、同6.0%増の6兆4000億円を計画している。

<コンビニ事業の設備投資は1000億円増加>

コンビニ事業に対する設備投資は、15年2月期の1932億円に対し、16年2月期は2930億円を計画しており、約1000億円の増加を見込む。村田社長は「日米コンビニへの設備投資を積極的にすることで、成長を促したい」と述べた。

国内のコンビニ、セブン―イレブン・ジャパンは、1700店舗(前期比6.1%増)と過去最高の新規出店を計画している。純増は1100店舗で、来年2月の期末には、1万8591店(同6.2%増)へと拡大させる。3月の高知県に続き、6月に青森県、10月に鳥取県へ進出する。

新規出店に加え、既存店にも投資を行う。既存店売上高は同2.0%増と引き続き伸長を見込む。

米セブンイレブンの新規出店は400店舗(前期は238店舗)。村田社長は「場合によってはM&Aも考える」と述べ、買収を模索していく考えを示した。

一方、総合スーパー(GMS)のイトーヨーカ堂は、既存店売上高1.0%増、営業利益も前期の18億円から100億円への改善を見込む。田中吉寛・執行役員は「住居・衣料の商品改革を進めるほか、食品については、地域に根差した個店主義の店作りをしていく」と、改革の方向性を示した。

<オムニチャネル投資、5―6年で500―600億円>

同社は、今秋から、リアル店舗とネットを融合させた「オムニチャネル」を本格的に展開する。グループ各社の商品をひとつのサイトで見ることができるほか、ネットで注文した商品をセブンイレブンで引き取ることができるようになる。また、来店した消費者に対しても、店頭にない商品を取り寄せて提供することも考えている。

15年2月期に151億円、16年2月期に72億円の投資を計上。村田社長は「今後5―6年で500―600億円の投資になる」との見通しを示した。

<グループ売上高、15年2月期に10兆円超え>

コンビニ加盟店の売上高を含めたグループ売上高は、15年2月期に10兆2356億円(前期比6.6%増)となり、初めて10兆円を超えた。

売上高に相当する連結営業収益は同7.2%増の6兆0389億円、営業利益が同1.1%増の3433億円となった。コンビニ事業と金融関連事業がけん引した。営業利益は、今年1月時点の計画、3560億円を下回った。

消費増税の影響を受けて消費に弱さも見られたが、セブンーイレブン・ジャパンの既存店売上高は今年2月まで31カ月連続でプラスを継続。15年2月期を通すと2.4%増となった。

入れたてコーヒーの「セブンカフェ」やドーナッツなど話題性のある商品が消費者を引き付けている。プライベートブランド(PB)のセブンプレミアムは、8100億円の売上げ規模となった。

国内コンビニは1602店舗の出店、1172店の純増で2月末には1万7491店舗となった。

イトーヨーカ堂の既存店売上高は4.5%減とマイナスが続いており、粗利益率も0.3ポイント低下した。衣料品の不振が影響している。衣料品については、イトーヨーカ堂と百貨店のそごう・西武が共通で取り扱う商品を導入するなどし、建て直しを急いでいる。

*情報を追加します。

(清水律子 編集:田中志保)

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