家計の6割が消費増税で「支出抑制」、多くが現在も継続=日銀調査

2015年4月2日(木)15時52分

[東京 2日 ロイター] - 日銀が2日発表した3月の「生活意識に関するアンケート調査」(第61回)によると、昨年4月の消費税率引き上げ後に6割の家計が支出を控え、そのうち75%が現在も支出抑制を続けていることがわかった。

消費税率引き上げの家計への影響調査は、消費増税から1年程度が経過したタイミングで、特別に初めて実施した。

それによると、消費増税後の支出の変化に対する問いについて「支出を控えた」「支出をやや控えた」との回答が合計で59.8%と全体の6割に達した。このうち、影響の長さでは75.3%が「現在(冬)でもなお支出を控えている」と回答。多くの家計で、増税後の支出抑制が続いている実態が浮かび上がる。

増税後に支出を控えた理由(複数回答可)では「物やサービスの値段が上がったから」が82.1%に達し、次いで「収入が減ったから」が36.4%。「消費税率引き上げ前に前倒しで支出したから」との回答は13.4%だった。

<景況感は改善、物価予想はほぼ横ばい>

また、定例で調査している景況感については、1年前と比べて「良くなった」との回答が増加し、「悪くなった」との回答が減少したため、景況感DIはマイナス24.6と4四半期ぶりに改善した。前回12月調査はマイナス32.9だった。

1年前と比べて収入が「増えた」との回答から「減った」との回答を引いた収入DIはマイナス28.1に改善。調査開始以降で最もマイナス幅が縮小した。

日銀が家計のインフレ予想を見るうえで重視している物価観に関しては、1年後に物価が「上がる」との回答が81.6%となり、前回調査の80.8%から増加。一方、5年後に「上がる」との回答は83.9%で、前回の84.3%から小幅減少した。

先行きの物価動向については、1年後の平均値が4.8%上昇、中央値が3.0%上昇。5年後の毎年の変化率は平均値で4.0%上昇、中央値で2.5%上昇となり、いずれも大きな変化は見られなかった。

調査は2月6日から3月5日にかけて、20歳以上の個人4000人を対象に実施。有効回答者は55.6%の2223人だった。

*内容を追加します。

(伊藤純夫 編集:田中志保)

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