日経平均は続落、短観下振れで一時1万9000円割れ

2015年4月1日(水)11時49分

[東京 1日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は続落。前日の米株安に加え、日銀短観の下振れを嫌気し利益確定売りが強まった。名実ともに新年度入りし、国内機関投資家が早めの益出しの売りを行っているとの観測もあった。

売り一巡後は押し目買いや日銀によるETF(上場投資信託)買い入れ期待などで下げ渋ったが、市場では調整入りに対する警戒感がじわりと広がっている。

日銀が午前8時50分に発表した3月日銀短観では、大企業製造業・業況判断DIがプラス12とロイター予測(プラス14)を下回った。「ヘッドラインほど質的には悪くない内容」(野村証券エクイティ・マーケット・ストラテジストの伊藤高志氏)との見方も出ていたが、TOPIX先物市場への大口売りがみられたうえ、トヨタなど主力株への国内勢の利食い売りが指摘され、日経平均は3月12日以来、約3週間ぶりに節目の1万9000円を割り込んだ。

売り一巡後は押し目買いなどで下げ幅を縮小したが、戻りも限定された。日経平均は2月3日以来、約2カ月ぶりに25日移動平均線(1万9158円63銭=1日前場)を割り込み、調整ムードが色濃くなり始めているという。ちばぎんアセットマネジメント調査部長の奥村義弘氏は「ボラティリティが上昇しており、株価変動の大きさが警戒されている。これまでの強気ムードは後退し、日経平均1万8500円程度までの調整はあり得る」とみていた。

個別銘柄では、ABCマートが続落。2015年2月期の営業利益が12期連続最高益と伝わったが、会社予想をわずかに下回る内容だったため失望売りが出た。

半面、電気化学工業が年初来高値を更新。31日、グループ会社であるデンカ生研が、北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターの高田礼人教授と共同で行っていたエボラウイルス迅速診断薬の試作品開発に成功したと発表し、材料視された。

東証1部の騰落数は、値上がり328銘柄に対し、値下がりが1435銘柄、変わらずが113銘柄だった。

日経平均

前場終値 19035.63 -171.36

寄り付き 19129.75

安値/高値 18927.95─19195.23

東証出来高(万株) 126481

東証売買代金(億円) 14503.77

(杉山容俊)

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