出光・九電・東ガス、千葉に大型石炭火力の検討開始

2015年3月27日(金)19時53分

[東京 27日 ロイター] - 出光興産、九州電力、東京ガスの3社は27日、千葉県袖ケ浦市の東京湾岸に最大200万キロワットの大型石炭火力発電所の共同開発に向けた検討を始めることで合意したと発表した。

九電と東京ガスはそれぞれ、来年4月から電力小売りが全面自由化をにらみ、最大市場の首都圏でコストの安い石炭を燃料とする競争力のある電源確保を狙う。出光も自社の製油所がある京葉コンビナートの工場群への電力供給を今後検討する。

九電が九州以外の国内で発電所の建設計画を出すのは初めて。首都圏での電力供給を成長戦略と位置づける。

東京ガスも電力事業を強化する方針だが、稼働率の高い「ベース電源」の石炭火力を加えることで、同じくベース電源の原発が再稼働しても対抗できる電源構成に踏み出す。

30ヘクタールの出光の遊休地を活用し、2020年代中ごろの運転開始を見込む。石炭を受け入れる貯炭場が遊休地に隣接しており拡張する方向だ。

5月に3社均等出資の特別目的会社を設立し、4─5年の環境影響調査の手続きを経て、最終的な事業化の意思決定を行う。2020年代中ごろの運転開始を見込む。

200万キロワット級の石炭火力を建設した場合、総投資額は4000億─5000億円規模と見込まれるが、可能な限りコスト低減を図るとしている。

(浜田健太郎)

  • 1/1

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ