過度に長期間の低金利、安定・信頼失墜リスクも=米連銀総裁

2015年2月28日(土)02時49分

[ワシントン 27日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は27日、低金利を過度に長期間維持することで、金融安定懸念や信頼失墜などのリスクを招く恐れがあるとの見解を示した。

メスター総裁は講演で、エコノミストは早期利上げに伴う雇用や生産コストへの影響を注視しがちで、「利上げを遅らせることによるコストの数値化はさほど行っていない」と述べた。

そのうえで、「われわれのモデルは、金利を長期間ゼロ近辺に維持することによる金融安定へのリスクを数値化するには十分ではない。しかし、危機はこれまでに、金融安定には多大なコストを伴うことを示してきている」と述べた。

さらに、利上げに向けた中銀の消極的な姿勢は「景気見通しがさえないことが理由と受け取られる可能性がある」とし、信認の失墜につながり、「必ずしも経済的に良好な結果をもたらさない」と語った。

メスター総裁の講演は、中立的な金利を見極める経済学上の方法に関する技術的な内容で、FRBもしくは米国が、こうしたリスクに直面しているとは直接的には言及しなかった。

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