最新記事
事故

韓国アシアナ機、飛行中に突然乗客がドアをこじ開けた!

2023年5月26日(金)17時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
猛烈な風であらゆるものがはためく機内

猛烈な風であらゆるものがはためく機内 KBS News / YouTube

<気圧差と猛烈な風で機内は大混乱に......>

韓国アシアナ航空の国内便旅客機が着陸直前に乗客が出入り口を開き、そのまま飛行する事故が発生した。

26日午前11時49分に済州空港を出発したアシアナ航空OZ8124便旅客機は、大邱空港に着陸する直前の12時45分ごろ、地上200m上空で出入り口のドアが急に開かれ、その状態のままで滑走路に着陸したという。中央日報など韓国メディアが報じた。

なぜ、飛行中にドアを開けられた?

【動画】ドアが開かれ轟音が鳴り響く韓国アシアナ航空機

事故は30代の男性乗客が突然、出入り口を開こうとしたため、発生したことが分かった。当時の状況を撮影した映像をみると、飛行中の旅客機のドアが開かれて猛烈な風が吹き、乗客の髪の毛とシートが激しくはためいている。

ある乗客は、「飛行機がタイヤをまだ降ろさなかった着陸直前に、急にドアが開かれた」「乗務員たちが急いで座るように大声を張り上げて制止した」と当時の状況を伝えた。

さらに、「ドアが開くと、いきなり気圧のせいに耳がつーんとして子供たちが泣いて声を張り上げるなど、混乱した状況だった」と付け加えた。

事故のあった旅客機には、27日、蔚山で開かれる全国少年体育大会に参加する済州の小中学生の選手64人が乗っていた。

旅客機は、非常脱出スライドの一部が破れたものの、どうにかけが人などを出さずに大邱空港に着陸をしたが、少年体育大会の選手8人など9人が呼吸困難の症状を訴えたため病院へ搬送された。

ある選手の母親は「子供たちが体をぶるぶると震わせて泣きながらとても驚いた様子でした」とし、「搭乗口近くにいた子供たちが一番大きな衝撃を受けたようだ」と話した。

大邱警察庁は飛行機の出入り口を開けた男性を着陸直後に逮捕し、犯行の動機などを調査しているほか、アシアナ航空の客室乗務員からも聞き取り調査を行っている。

アシアナ航空の関係者は「正確な原因は調査中」とし、「非常口隣りの席の乗客が非常口のレバーを触ったと供述して警察が調査中」と説明した。この乗客に損害賠償請求をするかという質問には「まだ事件が発生して間もないためか、警察の調査を見守る」と立場を明らかにした。

また、非常脱出口が簡単に開かれた理由については「通常の飛行中は気圧差のため、物理的にドアをこじあけるのは不可能だ。しかし、今回の事件のように、着陸直前の場合は気圧差がだんだん低くなるためにドアが開かれる可能性のある機内環境になりかねない」と説明している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国の24年名目GDP、134.8兆元に下方改定

ワールド

ウクライナ巡る米との交渉、ゆっくり着実に進展=ロシ

ビジネス

小売販売額11月は前年比1.0%増、休日増と食品値

ワールド

再送公債依存度24.2%に低下、責任財政に「腐心」
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中