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イスラエル

テロより怖いパレスチナの不買運動

2010年5月20日(木)15時10分
ダン・エフロン(ワシントン支局)

 パレスチナ自治政府は5月、イスラエルによるヨルダン川西岸の占領に抗議する運動の一環として、入植地で生産された産品の不買運動を新たに開始。とはいえ、エコノミストの試算では、昨年のイスラエルの輸出のうち入植地で生産されたものは2〜3%、そのうちパレスチナ向けはごくわずかだ。

 不買運動の成否のカギを握るのはヨーロッパ諸国だろう。イスラエルにとって最大の輸出先であるヨーロッパは、西岸地区に対するイスラエルの政策に批判的だ。パレスチナ側が入植地と関連のあるイスラエル企業をリストアップすれば、ヨーロッパ全域に不買運動が飛び火する可能性はある。

 イスラエルの政治家や企業トップの一部は報復措置をちらつかせている。イスラエル製造業者協会のシュラガ・ブロシュ会長いわく、「パレスチナにとってイスラエルの港は酸素を送るチューブ。閉鎖すれば、苦しむのは彼らだ」。

[2010年5月26日号掲載]

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