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イタリア事情斜め読み

ヴィズマーラ恵子|イタリア

バカンス夏季に急増する動物の遺棄

fotorince -iStock

イタリアでは毎年数十万の犬や猫が路上、公共および私設の避難所に捨てられている。

そのうち約60%が6~8月に集中している。

夏の長期バカンスに出かけるこの時期になると、飼っているペットもバカンスに連れていくことができない、ペットの面倒を見てくれる人がいない、ペットホテルに預けるお金がもったいない、同伴可のホテルや宿泊施設が見つからないからなど、様々な人間のエゴで、動物たちが高速道路や山道や森に捨てる人たちがいて、ニュースを見るたびに心が痛む。

さらに、新型コロナウイルスに起因する経済危機により、飼っていたペットを管理することができなくなった家族の数も増えている。

8月8日、ローマのサンバジリオ地区のゴミ箱近くのゴミ袋に老犬が捨てられていたというニュースがあったばかりだ。

また8月14日、ローマ。灼熱の太陽の下、街灯柱に縛り付けられ子犬が捨てられていた。マイクロチップは付いていなかった。保護した警察官がその後この子犬を引き取り飼うことにしたという。

| 愛護動物を虐待したり捨てる(遺棄する)ことは犯罪

ビデオの中で、ティツィアーノ・フェッロは言った。

「動物を遺棄することは違法だということを覚えておいてくれ。ペットを捨てようなんて考える前に、動物を保護してくれたり相談にのってくれる場所はいくらでもあるんだ。動物を遺棄しないでくれ、捨てられた動物の大半は致命的な事故に遭い亡くなっているという悲しい現状を知って欲しい。」

と投げかけた。

| 愛護動物を遺棄すると、イタリアでは懲役や罰金に処せられる。

イタリア動物保護法 刑法189号 2004年7月20日施行 
イタリア刑法 727条(動物の遺棄)動物虐待及び、違法な闘技・非認可の競技への使用の禁止に関する規定
愛護動物または家庭内での飼育に慣れた動物を遺棄する者は、最高1年の禁固刑又は1,000~10,000ユーロ以下の罰金に処する。

日本では、環境省が動物の所有者等が遵守すべき責務規定を明確化し、2019年6月19日「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」が公布された。そして、今年、令和2年6月1日付で動物の愛護及び管理に関する法律の一部が施行され、動物の殺傷はもちろん、虐待したり、捨てたりする行為がさらに厳しく罰せられるようになった。

改正動物愛護管理法
第六章 罰則
第四十四条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

他のヨーロッパ諸国の罰則規定と基準に合わせるために、動物を放棄した人に対してより厳しい罰則を求める動物愛護団体「Animalisti Italiani」が存在し、具体的な取り組みを求めてウェブで請願の署名活動を行っている。

動物を保護するボランティア団体のコモ防衛環境連盟LEIDAA(レイダ)は、どうしてもやむを得ない事情があり、動物を飼うことができなくなった人やコロナウイルスで飼い主が亡くなり誰も世話をする人がいなくて残されてしまった動物などを救う活動をしている。

コロナウイルス緊急事態の発生以来専用電話番号で18000 人の支援要請に応えた。

ペットは、かけがえない幸せと癒しと愛を与えてくれる。ペットが側にいてくれるだけで、「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンも分泌され、人生を豊かにしてくれる家族だ。そんな大切な家族を見捨てないで欲しい。

 

Profile

著者プロフィール
ヴィズマーラ恵子

イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie

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