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オーストラリアの診察室から

高尾康端|オーストラリア

オーストラリアでの就労、永住

画像:structuresxx-iStock

日本では他の多くの国と比ると時給が低く抑えられたままです。その所為もあってか最近ニュースなどで仕事を求めて海外にでる日本人のことが報じられています。オーストラリアも出稼ぎの場所として話題になっているようです。オーストラリアには以前からワーキングホリデー(ワーホリ)の制度が有り、学生など海外からの労働力を多く受けいれる傾向がありました。コロナで多くのワーホリや留学生が帰国を余儀なくされましたが、最近再び積極的に受け入れを行っています。以前にもお話したように、オーストラリアは現在、労働者不足のため、ビザやワーホリの年齢制限の緩和なども行っています。

オーストラリアを出稼ぎ場所に選ぶメリットはいくつかあります。オーストラリアの現在の最低賃金は21.38オーストラリアドル、日本円で約1976円です(2月22日の時点)。オーストラリアでは週末、祝日、夜勤など通常時間以外の労働に対する追加賃金の支払い義務が発生します。そのため時給が1.5倍から2倍となる場合もあります。もちろん問題がある職場もあるでしょうが、これらのペナルティの支払いは比較的きちんと守られている印象があります。労働時間や休みもきちんと守られることが多いようです。

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画像:Zolak-iStock

規制緩和をうけて職種によっては長期滞在や永住がしやすいときかもしれません。ただオーストラリアは以前からビザなど規制を労働力需要に応じて変えることが多いので、数年後にはビザや永住権の獲得が困難になる可能性もあるので注意が必用です。

オーストラリアは時給や労働環境は良いのですが、物価は以前から日本より高めです。このところのインフレのせいで物価はよりいっそう高騰しています。ルームシェアをしたり、自炊をしないと出費も増えます。また英語ができないと仕事の選択のはばも狭まります。日本人が少ないところでも生活していけるだけの英語力があるのなら地方都市や田舎のほうが生活費は抑えられるかもしれません。

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画像:stanciuc-iStock

オーストラリアの労働環境は比較的良いですが、日本で働くのとは違う問題やストレスもあるかと思います。言葉の壁もありますし、いろいろな文化の人がいるので、生活習慣の違いによる問題も発生します。

私が会ったことがある日本人の中にも永住権を獲得した人もいれば数か月で日本に帰国した人もいます。人によって海外生活が合う人と合わない人が居ます。人から話を聞いたり、テレビで見ても、やってみないと自分に合うかどうかはわからないかもしれません。

 

Profile

著者プロフィール
高尾康端

日本、スイス、シンガポール、アメリカで育ち、2004年からオーストラリアに移住。シドニー大学医学部を卒業。現在は東ブリスベンエリアHawthorne Clinicにて家庭医 (GP)として勤務。家庭医の観点からみる病気についての情報、また母国である日本と移住地オーストラリアの医療システムの違いや、オーストラリアで病気になった時に役立つ情報を発信している。

Twitter:@dryasutakao
Facebook:Dr Yasu Takao
ブログ:https://www.dryasutakao.com.au/blog

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