World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

今のミャンマーと未来を祈る

4月24日
今のミャンマーと未来を想う

みなさん今晩は。
新町です。
エンターテイメントに関わる人間として毎日ミャンマーの事を発信しています。
4月20日から投稿を始めてこれまで4回投稿させていただいてきました。
これからも当分毎日の投稿を続けたいと思っています。
ですが、もしかするとこれまで毎日投稿を読んでいただいた方の中には違和感を感じている人もいるかもしれません。

今この時にミャンマーにいて発信しているのに現状について全く触れてないからです。
このブログは日本人の方は勿論、日本語がわかるミャンマーの人も読んでいるかもしれませんし、これから読まれていくのかもしれません。

このブログを始めさせていただくに当って色んな事を考えました。
現地にいる日本人としてどんな事を伝えられるのだろう。
そして、どんな事を求めらえるのだろう。
その中で自分がやれる事はなんだろう。
そして、自分はどんな事が言いたいのだろう。

今日は、少しだけ。
少しだけですが、その事をお話出来たらと思っています。
私のこれまでの様々な発信を見聞きしたりしている方にとっては満足のいかないものになるかもしれません。
何故そうなのかということも煮え切らない表現でしか語れないかもしれません。

ですが、知っていただきたい事があります。
経営者は従業員を守らないといけないという言葉があります。
日本でも聞く言葉だと思います。
これは往々にして従業員の生活を守るのが経営者の義務だという意味だと思います。

今、ミャンマーでは責任ある立場にいる人間は行動に凄く気を使わないといけない現状があります。
私は著名人でも何でもありませんが、1人の外国人経営者として様子をみられていると感じる事があります。

昨日のヤンゴンー成田の救援便により、いよいよこちらに残った日本人は500名を切ったと言われています(正確な数字ではないかもしれません)
ピーク時には3000名以上いたと言われる日本人が6分の1以下になったという事でより注目されているのは間違いないと思います。

これは冗談や大袈裟な表現では無く、私たちの一挙手一投足により、私たちに関わる大切なミャンマー人の仲間達が傷つく可能性があるのです。
場合によっては命を落とします。
私がどんに正しいと思っても、どんなに良かれと思って想いを込めていたとしても、です。

外国人というある程度守られた立場でありながら無自覚な内にミャンマー人の友人や仲間達、お世話になった人を危険な目に合わせてしまったらと思うと気が狂いそうになります。
現状、更に外国人という立場であってもハードな段階になってきたことも、ここでは多くを語りませんが、日本にいる皆さんもご存知の事かと思います。

それは、つまり、私の行動、言動一つで他の現地日本人にも危険が及ぶという事を表します。
郷に入っては郷に従え、よそ者はその地のルールに従うべき。
一見正論ではありますが、現状納得できることばかりではありません。
しかし、どこまでも冷静な行動が取れなければ迷惑をかけてしまう規模はこの2月1日からのたった3ヶ月弱でとんでもない大きさになってしまいました。

「さっさと帰国するべき」
という声も沢山ありますし、良い悪いではなく、私の事を心配してくれて言ってくださる意見も沢山あります。
一度リセットする、いつでもやり直せる、無理する方が良くない。
全て正論で、凄くわかる意見でもあります。

言われる事はいちいちわかるのですが、やはりふと考えます。
「今自分が帰ったら、あの人は、あの子は、アイツらはどうなるんだろう?」
私如きが大した事が出来る訳ではないのですが、それでも私と縁の深いミャンマー人の人たちの事を考えずにはいられません。

私も「何が何でも帰らん」と意地になっている訳ではありません。
いや、意地が無いかと言えばそんな事もないのですが、もし帰る事になったとしても、それは正しく自分の番が来た時にしたいと思うのです。

それがいつなのか、誰の次なのかなどはわかりませんが、少なくとも今ではないとは感じています。
こんな事を言いながら、明日か、明後日には帰国しようという結論を出しているかもしれません。
それくらい状況は目まぐるしく変わっています。

そんな中、この地に残る意味というのも、今明確に見えている訳ではありません。
決して強い意志を持ち、明確にやる事があり、そこに向って進んでいるというような強い経営者ではないのは間違いありません。

ヒーローには憧れますが、決してヒーローになれるような器ではないと思っています。
私には足りないモノだらけです。
それでも今、自分がここにいる意味を毎日探しています。
もはやコロナ以前はおろかコロナ中何とか続けていた仕事すらまともには出来ない状況ではありますが、それでもこの国の人々には毎日の生活があります。
そして、こんな時でもエンターテインメントの灯は消えていないと感じる出来事が沢山あります。

沢山の人と話し、沢山の情報を探し、沢山発信をした先に何か見えるものがあるのか、もしくは無いのか。
答えのヒントすら見えてこない毎日です。
それでも確信している事があります。

2月1日あの日、今より状況は悲観的ではなかったあの日ですら、私は途方にくれました。
そんな中、沢山の方と連絡を取り、来るべき時に備えとにかく思考を止めずに考えうる様々な事に準備をしようと決めて、とにかく動き続けました。
自分のメンタルを整える事に特に注意しましたが、出来る事を探し、時には何も考える事を止めて休む事も必要だと、意図的にボーっとしていたりもします。

まだ何も結果は出ていませんし、結果が出る道筋もまだまだ見えず歯がゆい思いばかりですが、それでもその時より、何かが進んではいます。
それは私だけの問題ではなく、この国全体としての事だと強く感じます。

私は報道の人間ではありません。
ジャーナリズムとは何かという事もよくわかりません。
表現の自由がどうとか、知る権利がどうとかは頭の良い人に任せて寝ていたいと思うような無責任な人間です。

ですが、この国に憧れ、この国でエンターテインメントを作りたいと夢見る人間です。
それはこんな状況になっても変わらないどころか益々想いは強くなります。

どこまで冷静に書けたのかちゃんと皆さんに伝わったのか自信はありませんが、このブログを観ている方にどうしてもお伝えしたかった事なので今日はいつもと違う感じで書かせていただきました。

エンターテインメントで誰かを救える信じています。
そんな事を想いながらまたミャンマーの素晴らしさを皆さんにお届け出来たらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

それではまた明日。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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