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スタートアップ超大国 インド~ベンガルールからの現地ブログ~

永田賢|インド

インド高度人材採用論<実務入門・前編>

iStock

あっという間に年の瀬になってしまいましたが、皆様今年もありがとうございました。

お蔭様で連載を続けることができております、重ねて御礼申し上げます。

今年は日印交流70周年記念年ということもあり、COVIDで鈍くなっていた2国間での交流が復活してきたように思えます。

そして、進出・採用関係の話も増えて来たように思えるので、今年最後の記事は高度人材採用論について前編後編で実務の面からカバーしてみます。

*本稿での高度人材の定義は経済産業省に準拠して、「高度人材」は専門的な技術や知識を習得した人材を指し、日本人、外国人の両方を含むとする。」とし、インド人における専門的な技術や知識を習得した人材を指します。

<参照元リンク>

第2節 高度人材の確保とイノベーションの創出:通商白書2016年版(METI/経済産業省)

本稿では、前編ということで、前提と母集団形成について紹介します。

1.前提条件

まずは、前提条件を紹介します。これらを踏まえておかないと「あれ、日本と全然異なる・・・・・」とギャップを感じることが多くなってしまいます。

人材レベルは「玉石混交」という点に尽きる。

多くの報道にもあるように、インドはアメリカ合衆国における多国籍企業のマネジメント層を数多く輩出しているが、反面、「まじか??」と思うような人材も散見されます。

最上位層の例としては、サンダーピチャイ氏(Google CEO)、ニケシュアローラ氏(元ソフトバンク後継者候補)、サティヤナデラ氏(マイクロソフトCEO)が挙げられます。

しかし、以下のような高度人材に見えて全然違う「似非高度人材」も散見されるので、レファレンスチェックは必須です。

似非高度人材の事例

・(過剰な自己アピール)トップ大卒で日本語もビジネスレベルでペラペラだが、本人がリサーチャーのプラクティスができると強弁するものの、実態は外資系コンサルティングファームのレポートをコピー&翻訳しかできておらず、インサイトは皆無。

・(口だけ)トップ大卒で日本の大手企業での勤務経験もあり、日本語もネイティブレベルであるが、評論ばかりで自分で手を動かすことができず、頭でっかちになってしまい、解雇。

・(パクリ)トップ大卒で中国などの新興国コンサルができるとの前触れであったが、なにもかも前職のプラクティスのパクりで実態は何もない。

②新卒候補者が留意するのは「レジュメにおける綺麗なキャリア」と「報酬」に尽きる

各大学のキャリアセンターであるPlacement centerの傾向として、外資・大手・有望企業からのオファー数や採用数を宣伝材料にして生徒を集めております。

従って、給与レンジとレジュメ内容が候補者にとって魅力的に映るかどうかに留意すべきです。

例えば、以下はIITマドラスの新卒給与レンジですが、メディアで言われるほど高くないので、欧米企業と張り合う必要もありません。

<IITマドラスの新卒給与レンジ>

引用元:IITM_Placement_and_Internship_Report_2020-21

Profile

著者プロフィール
永田賢

Sagri Bengaluru Private Limited, Chief Strategy Officer。 大学卒業後、保険会社、人材系ベンチャー、実家の介護事業とキャリアを重ね、2017年7月に、海外でのタフなキャリアパスを求めてYusen Logistics India Pvt. Ltdのベンガルール支店に現地採用社員として着任。 現地での日系企業営業の傍ら、ベンガルールを中心としたスタートアップに魅せられ独自にネットワークを構築。2019年4月から日系アグリテックのSAgri株式会社インド法人立ち上げに参画、2度目のベンガルール赴任中。

Linkedin: https://www.linkedin.com/in/satoshi-nagata-42177948/

Twitter: @osada_ken

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