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魅惑の摩天楼、香港フォト通信

マリエ|香港

香港のバブル指数通り、ここを歩けば景気がわかるってもんだ!

(筆者撮影)

今までのあの過酷なコロナ規制は何だったのだろうか?
香港も中国本土もコロナ規制を撤廃した。
ちょっと鼻からマスクをおろせば「マスクだよマスクをあげろ~」
と金切り声を上げられていた日々も遠ざかった。
香港はマスク着用義務も廃止になった。

マスクをし忘れて罰金5000香港ドル(約8万5千円)を徴収された人はさぞかし悔しがっているだろう。
そして中国のゲートも開き、中国本土から人が入ってくるようになった。

香港の基幹産業である観光を支えているのは中国人

観光は香港を支えている4大産業の一つである。
(金融、不動産、観光、貿易が香港の4大基幹産業)

抗議活動前の2018年、香港の年間訪問者数は最高に達した。
6514万人が香港を訪れた。6514万人と言っても、約8割は本土中国人が占め、
5103万人の中国人が訪れている。

ちなみにピーク時2018年の日本からの観光客は128万人。
中国からの5103万人と日本からの128万人ではもうお話にならないレベル。
いかに大陸の中国人が香港の観光業を牽引してくれたかががわかる。

もはや中国人無しでは香港の観光業は成り立たない。
コロナのゼロ政策で中国からやってくる観光客のみならず、
その他の国の観光客もパタッと来なくなったので香港はゴーストタウンのようになっていた。

hkbubble02.jpg(コロナ渦で閑古鳥の鳴くGUCCIの店舗前でただただ立ち尽くす店員さん)

さて中国人観光客はどの程度戻ってきているのだろうか。
それを肌で感じる事ができる通りがある。それはチムサーチョイの広東道である。

バブル指数通り

私は広東道をバブル指数通りと勝手に呼んでいる。
広東道(カントン道)とはチムサーチョイの西側に一直線に伸びる巨大ストリートである。

ここを歩けばまずほとんどの高級ブランド店を見ることができる。
香港最大のショッピングモールのハーバーシティ、Dutyfree shoppers. 1881ヘリテージ、
もう少しジョーダンに向かって歩けば左側にマカオ行のフェリーターミナルがあるビルもある。

コロナ前はブランド大量買いの大陸からの中国人でいつもあふれかえっている通りだった。
祝日の日はサイドウオークから人があふれて歩けないほどであった。
中国人が一番好きな通りと言ってもいいと思う。

特に中国人の大好物はシャネル、兎に角もシャネル。
広東道のシャネル前の中国人の長蛇の列は香港の観光業がバブッているかの大きな目安だ!!

hkbubble03.jpg

イースターの連休に広東道へと2日連続で出かける機会があった。
バブル指数通りの様子をチェックしてみた。さーてシャネル前の行列は戻ってきているのか?

シャネルの行列が戻ってきているかが一つの目安だ

戻ってきている。戻ってきている。シャネル前に行列ができてる(冒頭写真)。
マンダリン(北京語)がシャーシャーと飛び交っている。

蛇行して2列の行列ができていた。しかしながらコロナ前の最盛期に比べるとやっぱり少ないかな。
ピーク時は6列の蛇行が出来てたもの。最盛期の3分の1弱程度ってところか。

おなじく中国人の大好物ルイビトンはどうであろうか?

hkbubble035.jpg

(筆者撮影)

うーん、まだまだ少ないかな。同じく最盛期の3分の1程度ぐらい戻ってきたかなと感じる。

さてバブル指数通りの様子は景気の戻りを正確に反映しているのでしょうか?
香港観光局(Hong Kong tourism board)によると3月に香港の訪問者は245万4千人。2月より68パーセント増し。

2023年1月から3月の第一四半期の訪問者は441万人、コロナ前の30パーセントの数字となっている。

なるほど広東道は景気の戻り具合を結構正確に表しているといってもいいかもしれない。

ちょっと前までは香港で一番地価の高い通りはコーズウエイベイのラッセルストリートだった。
がいまや広東道はそのラッセルストリート抜いてアジアで1番、
世界でニューヨークの5番街に次いで世界第二位に地価の高いストリートへと変貌している。

広東道のハーバーシティの対面にヨーロッパ風情を体現したヘリテージ1881というブランド品が軒を連ねる場所がある。

モンプラン、ティファニーなど広東道沿いの路面店は今のところほとんどが閉店している。以前のように息を吹き返して欲しいと思う。

かつてこのヘリテージ前からブランドの袋を大量に抱えてタクシーに乗り込む中国人をカモにするタクシー事件が起きていた。トランクにブランド品の袋を入れてタクシーに乗り込む寸前に運転手がタクシーを走らせてブランド品を盗むと言った事件だ。コロナのころはヘリテージ前から乗る中国人は皆無、変な話、こういった詐欺事件がたびたびメディアに登場するようになったらこれもこれで景気がもどったという一つのサインかもしれない。

 

Profile

著者プロフィール
マリエ

香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。インスタグラムはこちら

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